麻生音楽祭に向け、合唱ひな壇仕込み実習風景と舞台概要講義 風景

 

しんゆり・芸術のまちづくり』フォーラム」が新百合ヶ丘周辺で芸術活動に 貢献した華のある人(団体)を表彰する「百合アーティスト賞」を創設。

                                   

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                              しんゆり・芸術のまちづくり

 

 

 

 

 もへじ 写真館

 

     

 

 

 

舞台用語 

 

楽屋口 

出演者やスタッフ用の入り口。ホールの裏側にあることが多い。またホール事務所の入り口と兼用である場合もある。

 

楽屋 

出演者やスタッフの控室。大部屋と小部屋に分かれていることが多くメイクのための鏡、シャワー室、洗面所などがある。

 

舞台監督ステージ・マネージャー

スタッフやホール、劇場との打合せ、稽古の準備、スケジュール調整と、その連絡。セット作り等を担当する

本番を含め、ステージの進行はすべて舞台監督(ステージ、マネージャー)の指示で行われるといっても過言ではない。

 

舞台操作盤

電動の舞台を操作するコントローラー。たいていは舞台袖に設置されている。

主に、緞帳、袖幕、照明バトン、美術バトンの昇降操作を行う。また舞台のもこれで行うことがある。

 

綱元

綱場とも。舞台の袖にあり、吊物昇降用の引き綱がまとめられた場所。転換で吊りものや仕掛けなどの上げ下ろしをする

大道具

工房等であらかじめ制作された舞台装置。たいていの場合舞台上では組み立てるだけで済む。

 

バトン

吊りもの用に使用する昇降する鉄パイプ。ホールや劇場によって太さや長さが異なるため、経験をつんだベテランが操作すること多い。

 

舞台衣装

カツラ、飾り物、かぶり物、靴、メイクなど、出演者が出演時に身に付ける全てのもの。

 

小道具、

舞台で出演者が使用する小物。

 

音響効果(PA

観客が聞きやすいように音響のバランス等を整える役目。普通は音響的に最も条件の良い所に

設置される。

 

舞台 

演奏、芝居等が行われる場所。

 

アクティング・エリア

舞台装置を含め、出演者が演技・演奏をするスペース。

 

上手

客席から舞台に向かって右側。

 

下手

客席から舞台に向かって左側。

 

舞台間口の中央から舞台奥への中軸線。

 

舞台奥

舞台の後。

 

舞台前 

舞台の前面。

 

舞台袖

客席から見えない下手や上手の空間。

 

プロセニアムアーチ

舞台の額縁。

 

立端、建端(たっぱ)

道具類の高さを表す言葉。

 

張り出し舞台

緞帳前の舞台床面。

 

框(かまち)

舞台の一番前にある、客席と舞台の境目(ここは舞台の顔、釘を打ったり、ガムテープを張ってもいけない)

 

舞台端(ぶたいっぱな)

客席との境界。

 

花道

観客との交流に不可欠な道。    

 

鳥屋(とや)

花道の突き当たり。

 

反響板

クラシック音楽には、通常はマイクを使いません。

この音響反射板で、後ろや上に抜けてしまう音を、前へ飛ばします。通常のホールでは大型の反響板が天井から降りてきます 。

ピアノ、歌、合唱、バイオリン、ハンドベル、等の演奏には抜群の威力を発揮します。

近年は、舞台後方からのスライディング方式、奈落から舞台への昇降方式などがあります。

このメリットは吊物バトンがたくさん設置できることです。又、邦楽の楽器、三味線、琴、尺八でも利用しています。

 

簀の子(すのこ)萄棚(ぶどうだな)

舞台の天井。簀の子ばりになっていることからこう呼ばれる。

 

袖幕

上手、下手の側舞台を隠すために吊られた黒幕。

 

文字幕(もんじまく)(カスミ幕)

舞台上部に平行して設置された黒幕。照明器材や吊り上げられた道具などを隠している。

(主にこの幕で舞台の高さが決まる)

 

奈落(ならく)

舞台床下。迫りなどの機構の装置。大道具の置き場所から出演者のスタンバイするところ、

オーケストラの通路からあらゆるものを収納するところ。

 

緞帳(どんちょう)

客席と舞台との仕切りを目的としたプロセニアムのすぐ奥にある幕。刺繍など

を施された豪華なものが多い。

 

割り緞帳(わりどんちょう)しぼり緞帳

中央から左右に割れ、左右斜め上に引き上げられる緞帳。

                                                    

定式幕(じょうしきまく)

狂言幕、歌舞伎幕とも呼ばれ、黒色・柿色・萌黄色の(もえぎいろ)3尺幅の木綿布を縦に縫い合わせた幕。 

通常は下手から上手に向かって開け、上手から下手に向かって閉める。

 

暗転幕

暗転にした後、暗転幕を下ろして、客席からは真っ暗のまま転換などをしている用に見せる。

(必ず黒い幕で、舞台の前に設置してある)

 

中割幕

引割り幕のこと。開いた状態で袖幕代わりにもなる。

 

わらう

はずす、とっぱらう、片づける。

 

ころす

かためる、固定する。

 

ばらす

解体する、不要な部分を処分する、片づける。

 

バミリ

立ち位置や置き位置などにテープで目印をすること。「場見る」から。

 

ドロップ

背景などが描かれている幕。道具幕。

 

カットクロス

布の切り抜きを綱(ネット)に縫い付けた絵入りの吊りもの。

 

浅黄幕(あさぎまく) 

浅黄色の幕。空のバック、振り落とし、かぶせ等の道具幕として使用することもある。

 

黒幕

歌舞伎では屋外を示し、夜を暗示させる幕。無の意味がある。

 

紗幕(しゃまく)

紗で出来た幕。黒色、グレー、白色、絵紗等あり。幻想的な感じを作り出したり、光の反射を

消す役目を果たす。

 

 ホリゾント幕

 舞台の後方を遮蔽して、観客の視界を制限する為に、一様の丸みを持った曲面のパノラマ式の大幕で、主として大空の効果を与える為に工夫されたものです。

一般的に使用されているタイプは、舞台最後部に開口部と平行かまたは左右両端のみを多少

湾曲させたホリゾント幕です。

普通は淡いグレーのキャンパス地(帆布素材)の布を使用しています。

最近では塩化ビニール素材で投影効果を高めるプロジェクションスクリーンや、幕裏からの大型プロジェクションでの投影を可能にするリアプロジェクションスクリーンなども使われています。

近年、後壁を漆喰仕上げにしたホリゾントは造られていません。

幕でも壁でも、ホリゾントに物を立て掛けたり、手で触れるなどして、汚したり傷つけたりすることは禁物です。

 

大黒幕

舞台奥に吊られる黒い幕。

 

尺貫法

現在でも、建築(日本家屋にとどまらず)材木などで、この単位が元になってよく使われている。

尺、寸、間、という単位も舞台の上では生きている言葉。30cmを便宜上1尺にしているが、後述の平台等の寸法はほとんど全て「しぶろく」(4×6)「さぶろく」(3×6)といった尺単位で称さる。

(5厘間隔、約1.5mm)   (1分間隔、約3.03mm) (1寸間隔、約3,03㎝)  (1間間隔、約181.8cm) です。

 

所作台

日本舞踊、能楽、等で舞台上に引き詰める檜板。1枚が3尺×12尺高さ4寸の定式台。足厳禁で、所作に上がる人は足袋をはきます。

 

リノリュームマット(バレエマット)

洋舞等で使用する硬めのエンビ系統に属するシート。色はグレーか、黒が一般的であり舞台全面にひきつめます。

 

平台(ひらだい)

3尺×6尺/ 4尺×6尺/ 6尺×6尺等で、高さが4寸のサイズの決まった定式台。

 

箱馬(はこうま)

6寸×1尺×1尺の箱形の台。

 

開き足

舞台床面より高さが必要な時、開き足の上に平台を乗せるときに使用する。

 

ヒナ段舞台

舞台床面より高さが必要な時、開き足、箱馬、平台などを使用して二重、に床

を組み上げた舞台。(合い掛けとは、台組(二重)をくみ上げる時に平台の継ぎ目に両方にまたがるように足を使い組むこと)

 

平舞台

二重舞台に対して、舞台の床を使用した舞台セット。

 

八百屋(やおや)開帳場

全体が傾斜した舞台。八百屋飾りと言う。

 

張り物(はりもの)

木材で枠組みを作り、布またはベニヤに描いて作る。

切りだし(きりだし)

小さい張りもの、木立、灯籠、床置き物、雲の張り物、枝などの吊りもののこと。

 

人形立

張り物等を後ろから支えて固定するそえ木。

 

雪篭(ゆきかご)

竹かごをパイプに吊り、小切りの紙を降らす装置。

 

書き割り(かきわり)

背景や張り物に風景、建物等を描いたもの。

 

遠見

背景のこと。町遠見、山遠見、海遠見。

 

松羽目(まつばめ)

能舞台の鏡板。松を書いたはめ板。

 

かがみ

開口部分を塞ぐための張り物。みきれかくし。

 

見込み(みこみ)

出入り口の窓などの厚み。

 

蹴込み(けこみ)

台の脚などを隠す張り物。

 

地がすり

舞台床に敷き詰めた布。

 

上敷(じょうしき)

芝居で畳として使用する。うすべり。

 

ゲネプロ 

ゲネラル・プローベの略。全てのセクションが本番と同じように進める総稽古。

 

場当たり(ばあたり)、

出演者などの位置決め、確認作業。

 

テクニカルリハーサル

出演者ぬきで道具転換や照明、特殊効果のきっかけ稽古。

 

1ベル(いちべる)

本番5分前や3分前に鳴らすブザーや音楽(客やスタッフ、出演者にもうすぐ始まる事を伝える。

 

本ベル(ほんべる)

今から本番が始まる事を伝えるブザーや音楽(鳴終わったら本番開始)

 

板付き(板付き)

幕が開く前や、暗転中に舞台上でスタンバイしている。

 

インカム

全ポジションと同時通話出来る通信機(全ての指示がインカムで行われる)

 

 

舞台照明用語

 

調光操作室

操作室には調光操作卓とその付属設備である直調切換盤、負荷選択盤(パッチ盤)などと、

インターホン、インターカムなど各ポジションとの通信連絡設備が設置されています。

また記憶装置付きの調光器の場合は記憶装置とその端末装置、制御装置も調光操作室に設置されます。

調光操作室は舞台照明の中枢ですから、舞台を良く見通せる客席の後部中央に設置されるのが原則です。

 

総合仕込み図

照明に関する器具、フィルター込みの図面。

 

小分け図面

景ごとの場面分けした照明図面。

 

仕込み

器具の吊り込み、色入れ、回路とり、点灯確認等、図面通りに準備すること。

 

パッチ

負荷NoDIM)をチャンネル表に写し込む作業。

 

チャンネル表

全ての照明機材のナンバーや名称を入れた操作表。明かり作りはこの表を組みあわせてる。

 

当たり合わせ、シュート

仕込んだスポットの光源の位置合わせ。

 

明かり合わせ

照明デザイン作り。

 

灯入れ

行灯、シャンデリア、電飾等、装置に関連するものに明かりを入れること。

 

欄間吊り

屋台飾りの装置の場合、欄間の裏にストリップライト等の照明器具を取り付けて、

部屋の明かりを作ります。その仕込みを欄間吊りといいます。

 

屋台仕込み

装置にスポット類を仕込む。       

 

ボーダーライト

舞台上部に平行して設置されたライト(舞台セットなどを均等に当てる)普段は作業灯。

 

フラットライト

舞台全体を明るくする地明かりとして使用するもの。

 

トップサス

通常、舞台真上からの明かり。

 

バックサス

後方からの明かり。

 

コロガシ

床面仕込みの照明器具。

 

ブッチ

側面から当てることの俗称。

 

フットライト

舞台の一番前に設置してあるライト(光を下から当てて影をなくしたり、舞台のセットに当てる)

 

SS(えすえす)

舞台の横に設置した照明機材(人や舞台セットなどを横から当てる)

 

前明り(まえあかり)Front(フロントライト、シーリンク゛)

客席の両サイドから舞台を照らすライト(ななめから舞台を当てる)フロントやシーリングなど客席側から当てるスポットの事(これが無いと顔が暗い)

 

スイッチ・イン、カット・イン

瞬間に点灯する。明かりを一気に点けること。

 

スイッチ・アウト、ブラック・アウト、

一瞬に暗くする。明かりを一気に消すこと。

 

フェード・イン、明、FI 

時間をかけて徐々に明るくすること。

 

フェード・アウト、暗、FO

時間をかけて徐々に暗くすること。

 

ダーク・カーテン

舞台が暗い状態で幕を下ろすこと。

 

ダーク・オープン

舞台が暗い状態で幕を上げること。

 

ライト・オープン

中明かりを点灯した状態で幕を吊り上げる。

 

ライト・カーテン

明かりをつけた状態のままで幕を降ろすこと。

 

ライト・チェンジ、クロス・フェード

点灯場面から次の場面にいくこと。照明を変化させること。

 

フォロー

演技者、あるいは指定された者をとらえて明かりをあてること。

 

フットライト

舞台前に設置し足下からあてる照明。

 

SUS(サス)

照明機材を吊るバトン(舞台前から順番に1SUS・2SUSと番号がつく)

 

アッパーホリゾントライト(UH)

ホリゾント」を上部から均等に照らすため、舞台後方ホリゾント直前の上部吊り物機構につ

り下げられた照明器具で、高い照度を得るために200500Wの電球を使用し、3~8色位

が出来る様に多回路に出来ています。

形は「ボーダーライト」を大型にした様な樋状の物と、ユニットタイプの単独光源器具を「フライダクト」に1~3段前後で多物とがあり、最近では効率の良い器具が設計出来るハロゲン

電球を使用した器具が使われる様になりました。

正しくはサイクロラマ・ライトといいます。

 

ロアーホリゾントライト(LH)

ホリゾントを舞台の床から均等に照らすための照明器具で、100200Wのタングステン

電球または300500Wのハロゲン電球を使用します。回路は3~4色に分けられていて、

長さ6~9尺位の樋状の可搬型の器具が多く使われています。

 

ストリップライト     

移動器材。地平線などに使う。

 

HMI(えいちえむあい)

電球ではなく放電管を使った器材(PINもこの一種。主にプロジェクターなど採用)

 

ITO(アイティーオー)

色んな形のネタを出す事の出来る器材。

 

7C  (ナナシー)

4方向にカッターがついているので、形を4方向に切れてネタを入れて模様を出す事の出来る器材(プロファイルスポットライト)の元祖。

 

SOURCE FOUR(ソースフォー).

色んな形のネタを出す事の出来る器材。現在の支流機材。

 

ネタ

プロジェクターやカッターライトなど様々な形の光を出す元の素材の事(丸い形、☆型、木の葉などさまざま)

 

パーライト/パーカン

レンズを使用しない器材(軽くて明るい。コンサートには必需品)

 

FQ(エフキュウ)

フレネルレンズを採用したスポット。(特にフラットな明かりにしたい時に使用。

但しハレーションが目立つ。

 

ハレーション

照明器材から漏れる明りの事(シビアな照明には邪魔だが、逆に有効利用する事もある)

 

MS (エムエス)

フレネルレンズを採用したスポット。(やわらかい光が出る。)

 

C8 (シーハチ)

トツレンズを採用したスポット。(わりとクッキリした光が出る。)

 

エフェクトスポットライト

効果器投影用のライト。これの先にいろいろな機器をつけて、多種多様な効果を得る。

 

ミラーボール

表面に鏡の小片を貼り付けた球体または楕円体をモーターで回転させて、数台のスポットライトで光を当て、その反射光の効果を利用する物で、吊り下げ型と据え置き型があります。

回転速度は1分間1回転の定速型と、可変型では1分間に2分の1回転~5回転程度調節出来るタイプがあります。

ハンガー

照明器材をバトンに吊るために使用する接続器具。

 

ロングハンガー

ボーダーライトにスポットライトを吊り込む為の道具です。3cm程の幅のやや厚みのある属

板で、ボーダーライトの灯体の裏側をコの字形に通り越す形をしていて、普通のハンガーに付け足して使用します。

 

バンドアー

4枚の羽根で明りを切る器材(但し4枚の羽根のすき間から漏れてしまう)

 

かいしゃく棒(かいしゃくぼう)

その名の通り、吊るされた器材などを調節する棒(操作はコツが必要)

 

スモーク・マシーン

濃い煙を出すマシーン(原料が不燃性の為、消防署の許可は要らない)

 

ドライ・アイスマシーン

ヒーターで暖めたお湯にドライアイスを入れ、霧状の煙を出す器具。

 

カラーフィルター

照明用フィルターを用途別に分類すると、①カラーフィルター、②色温度変換(コンバージョン)フィルター、③拡散(ディフュージョン)フィルター、④光量調節(ND)フィルターに分かれます。

カラーフィルターは、主としてポリエステルフィルムに着色したものを使用しています。

日本製のカラーフィルターは普通二桁の番号で色相と濃度が表示されます。

厳密な色彩配列ではありませんが、十の位は色相を表し、10番台はピンク系・20番台は赤系・30番台はアンバー(橙)系というようにスペクトル順に、80は番台紫系・90番台は特殊カラー系となっていて、一の位は濃度を表し、原則として若いほうが濃く、数が増えると淡くなります。

しかし、色数の少なかった頃に決めた配列ルールに後かふえた色相をはめ込んだ為に一部混乱している所がありましたが、現在は整理されております。

販売元は (株) 東京舞台照明。

プラステートからポリカラーへの移行時、大変なご努力をなされ今日に至っております。

 

カラーフィルター枠

カラーフィルターをはさむ金属または難燃加工を施したボール紙製の枠で、それぞれの灯具に適合する各種サイズがあります。

 

投映機器、プロジェクター

スライドを映したり、動く映像を舞台に照射する器材。

 

舞台音響用語

 

マイクロフォン(マイク)

音の入り口となる装置で人間の声や楽器の音を集めて電気信号に変換する。

マイクに入ってきた音が中の振動版を圧力・速さによって振動させ、その機械的振動が、いろ

いろな方法で電気信号に変換される。

以下に挙げる2種類のマイクは、この電気信号への変換の種類によって分類される。

 

ダイナミックマイクロフォン

コイルと磁石を利用して音の振動を電気信号に変換する方式のマイク。

電磁誘導を利用しているため外部から電源供給の必要がなく扱いやすい。

比較的丈夫で動作が安定しているため様々な場面で使用されている。

 

コンデンサーマイクロフォン

コンデンサー(蓄電池)の静電容量の変化によって電気信号を発生させる方式のマイク。

電池やミキサーなどから外部電源(ファンタム電源)が必要となる。

音に対する追従性がよく比較的高価なものが多い。

 

指向性や形、用途によるマイクの分類

 

マイクの志向性

マイクロフォンには集音しやすい向きがある。そのことをマイクの志向性と呼ぶ。

 

一方向からの音を拾うことに優れたマイクを単一志向性マイクという。

全方位(360°)からの音を均等に拾うマイクを無志向性マイクという。

遠くの音を拾うことに優れたマイクを超志向性マイクという。

マイクの表側と裏側の両面から音を拾うマイクを双志向性マイクという。

 

マイク形状や用途による呼び名

 

ピンマイク……超小型のマイク。衣服の襟や胸元につけて集音する。人の声を集音する場合はワイヤレスタイプとなることが多い。楽器に用いる場合もある。

 

カゲマイク……舞台袖など客席から見えない所に設置されたマイク。公演前や休憩時のアナウンスなどに用いられる。

 

三点吊りマイク(装置)…ホールなどの施設で客席の天井から3本のワイヤーで吊り下げられたマイク及び装置のこと。生演奏などの集音に用いる。

 

エレベーターマイク(装置)…舞台の床より油圧や電動によって自動的に伸び縮みするマイクスタンドの装置。完全に収納することができ遠隔操作が可能。

 

ワイヤレスマイクロフォン

マイクケーブルを必要とせず、電波によって音声を伝送するマイク。

ボーカル等に使用されるハンドタイプと、ピンマイクと別体の小型送信機を組み合わせて使用する2ピースタイプ(ピンタイプ)がある。

 

 

ワイヤレスマイクは使用する電波の帯域が決められており、同時に使用できる数にも制限が発生する場合がある。

4波から6波の同時利用が一般的である。

 

マイクに関わる用語

 

ウインドスクリーン

マイクロフォンの上にかぶせて使う風防のこと。スポンジなどで出来ていて、口元からの息の吹かれ等による雑音を防ぐことが出来る。

 

ファンタム電源

コンデンサーマイク等に電気を供給する装置。この電源は主にミキサーに内蔵されていて、電圧は48Vを使用するものが多い。

 

ブームスタンド

高さや、位置、角度を自由に調節できるマイクスタンド。

 

ミキサー(ミキシングコンソール)

音響調整卓。マイクや再生機器などからの信号を集合させて、音量や音質などを総合的に調整してバランスをとり混合(ミックス)して、出力する装置。卓などと呼ばれる。

音響の仕事の中では一番中心になる場所である。

 

ミキサーの操作部について

 

フェーダー

連続的に電圧を変化させる装置。音響用語としては主にミキシングコンソールの音量調節つまみのことをいう。

入ってくる音お調整するフェーダーをインプットフェーダー、出て行く音を調整する

フェーダーをマスターフェーダーと言う。

 

トリム

入力される音量の微調整つまみ。信号レベルを適切にするため、またフェーダーを操作しやすくするために用いる。

 

パンポット

モノラルの音を左右のチャンネルに分配してステレオ音像の方向を自由に決める事ができるつまみ。

 

AUX(auxiliary

ミキサーに入ってきた音をマスターフェーダーとは別のところに送るためのつまみ。

個別の音量を決められるようになっている。

 

パワーアンプ

音量を増幅する機械のこと。マイクで拾った音やCDからの音信号はとても微弱であるためアンプによって人間の耳に聴こえる音量まで増幅する必要がある。

 

スピーカーについて

スピーカーとは音の電気信号を音波に変換して放射する装置のこと。

スピーカーには駆動方式や形によって様々な物がある。

舞台における用途別の分類を以下に表記する。

 

用途別スピーカーの分類

 

メインスピーカー

主に観客・聴き手に向けて設置されるスピーカー。劇場の場合、設置されている位置によって呼び方がある。以下のプロセニアムスピーカーとサイドカラムスピーカーはこの部類に含まれる。

 

プロセニアムスピーカー

プロセニアムアーチ(舞台を正面からみた場合の周囲の額縁)上部に埋め込まれている常設スピーカー。

 

サイドカラムスピーカー

プロセニアムアーチの側壁(花道の背面)に埋め込まれているホール常設のスピーカー。

 

フォールドバックスピーカー

演者に向けて設置されるスピーカー。はね返りスピーカーもしくはモニターとも言う。

設置場所は固定されていない場合が多く、催し物に合わせて場所を決める。

 

サイドフィルスピーカー

舞台の両端や袖(上手・下手)に設置されるフォールドバックスピーカーの一種。

おもに演奏用に使われる場合の呼び方。

コロガシ

演者、演奏者の足元等に置くフォールドバックスピーカーの一種。

床に置いてスピーカーが斜め上に向くような構造をしている。

 

ケーブルや結線について

 

マルチケーブル・マルチコネクタボックス

マイク回線を複数束ねて一本にまとめたケーブル、及びその両端に取り付けるための、コネクタを付けたボックス。8・16・32チャンネルなどがある。

 

キャノンコネクタ

プロ用の音声ケーブルなど(マイクコード等)の接続に使うコネクタ。ホール等の備品としては3ピンがマイクケーブル、4ピンがスピーカケーブルとなっていることが多い。互換品としてノイトリックコネクタ等がある。

 

ピンジャック・プラグ(RCA)

主に民生用機器(CD.MD等)の入出力に使用されるコネクタ。

 

フォーンプラグ・ジャック(標準プラグ)

主に電気楽器の入出力に使用されるコネクタ。

2端子のものと3端子のものがある。

 

パッチコード

ミキシングコンソールとその周辺機器とを接続するための、短いマイクケーブルのこと。

 

先バラ

スピーカケーブルなどの先端の被覆をはがして、機器に直接つげられるようにしてあるコード。

またはマルチケーブルの片側の先端に、そのマルチケーブルのチャンネル分のコネクタが付いていて、ばらばらに接続できるケーブル。

 

アンバランス型回路

機器の入出力間につなぐ端子や音声ケーブルの結線方式。2ピン(2線)となっていて、フォーンプラグ(モノラル)やピンプラグ、ジャックがこれにあたる。

 

バランス型回路

2線でつながっているアンバランス型回路に対し、3線でつながっている結線方式。

主にキャノンコネクタが用いられ、外部からのノイズに強いという特徴がある。

 

ラインレベル・マイクレベル

音響機器(ミクシングコンソールと再生機器など)をつなぐ基準レベルをラインレベルといい、それに対してマイクロフォンからの出力信号のレベルをマイクレベルと言う。この両者には大きな音量差があり、マイクレベルはミキシングコンソールの入力部で増幅する必要がある。

 

8の字巻

音声ケーブルの巻き方。文字通り床に8の字を書くようにケーブルを置いていくやりかたと、手に持って巻くやりかたがある。

ケーブルを延ばすときに絡みにくいメリットがある。

 

周辺機器

 

エフェクター

電気信号になった声や楽器の音にさまざまに変化や効果を付加する装置の総称。

ミキシングコンソールの機能として組み込まれているものや、単独で機器間につないで使用できるもの等がある。

 

イコライザー

エフェクターの一種で、ある特定の高さの音を増幅、減衰できる機器。

音質の調整に頻繁に使用される。ミキサーにも内蔵されている。

 

リバーブ

残響。

イメージとしては真っすぐ伸びる響きのこと。

「エコー」と混同されている場合がある。わかりやすく例えれば「山びこ」はエコーであり、銭湯や教会の響きはリバーブとなる。

ボーカル録音や拡声で電気音響によって付加される残響は、エフェクターの一種であるリバーブマシンによって生成される。

 

ディレイ

遅れること。音の場合は元の音に対して遅れて聴こえる効果のこと。

電気的にディレイ効果を生み出すことも可能で、ディレイマシンというエフェクターの一種

を用いる。

 

ダイレクトボックス(direct injection box

アンバランスの信号をバランスに変換する装置。トランスを用いたパッシブ方式と電子回路を用いたアクティブ方式がある。略してDIとも言う。

 

その他の用語

 

ミュート

音を消したり小さくするという意味。ミキシングコンソールの機能として組み込まれている場合は、目的とする音のみをカットすることができる。

 

フェードイン・フェードアウト

音量調整の手法の一つで、フェーダーを使って音量を徐々に大きくしたり、小さくしたりすること。

 

ハウリング

スピーカから出た音がマイクロフォンで収音され、増幅されてそれが再びスピーカーから送出されこれが繰り返されて生じる発振現象のこと。

 

オンマイク・オフマイク

音源とマイクロフォンとの距離のことで、近い場合はオン、遠い場合はオフと呼ぶ。

 

デシベル(dB)

音の大きさの変化を示す単位。人間が感じる音量の変化を表すのに適している。

 

MC

司会者、あるいは司会のしゃべりのこと。転じてコンサート等の曲間のつなぎで演奏者が話すこともそう呼ばれる。

 

 

舞台芸術

舞台芸術は総合芸術と言われています。様々な芸術家が参加することによって成り立っているからです。

例えば、音楽では作曲家、編曲家、そして実際に演奏をする音楽家、録音された物を使うならば、音響家が加わります。

音楽だけでもたくさんの人たちの参加によって成り立っています。美術、照明、台本、制作などきりがないくらい多くの人の参加があって舞台芸術は完成します。

その中で我々裏方と呼ばれる仕事の内容を説明します。

最初に「舞台監督」(ステージマネージャー)を紹介しておかなければなりません。舞台監督は”舞監”とも呼ばれていますが、裏方の代表者です。

全てのパートの責任者です。

タイムスケジュールを組んだり、段取りを考えるのも舞台監督です。

舞台監督の指示に従って各パートは動きます。

一番忙しい人です。

 

大道具

舞台美術家がデザインした道具帳(舞台装置の原画)から図面(寸法図)を起こす場合と、美術家が図面まで起こしている場合がありますが、図面に基づいて大道具を作ります。材料の厚みや合わせ目の処理を考えながら組み立てやすく、正確に作ります。あまり考えずに作ると、出来上がったは良いがこの道具立たないよ。

などと言うことになってしまいます。

もう一つ考えなくてはいけないことが見切れです。

色々な角度から客は見ていますので、見えてはいけないところを隠さなくてはなりません。

見えないはずがいざ劇場で組み立ててみると丸見えだったというのは結構ある話です。

材料として一番ポピュラーな物が木と紙です。

次に布、プラスチック類、金属と言う感じでしょうか。

加工のしやすさの順番でもあります。

大道具さんが腰に付けている袋を”ガチ袋”と言います。

中には釘や工具類が入っています。

独特の形をした金槌を持っています。

 

舞台用語の中にはなかなか物騒な言葉も多いです。

第一が「殺す」。「そこのセット殺しとけ。」というと、しっかりと固定するという意味です。あとは「殴る」「蹴る」「わらう」「それわらって。」というと、そこを片づけることです。

 

照明

照明のデザインをする人を照明プランナーと呼びます。

またこの役割の人が照明の総責任者となります。

稽古を見て、また演出家や舞台監督、美術家などと話し合いを持ち、図面やイラストなどに描かれている舞台を参考にして、全てのシーンを作り上げていきます。

このときにはもちろん本物の舞台も装置もありませんから想像しながらです。

頭の中で作り上げてそれを仕込み図(照明機材とそれに入る色を指定した図面)に描いていきます。

その仕込み図を元にデータ表(操作表とも。仕込み図にあるどの機材を何パーセントの明るさで点灯するかを示した表のこと)を描いていきます。

それと別にQシート(どの場面で照明を変化したりつけ消しをするかを示した表)を作ったりします。

この図面を元に実際の照明は出来上がっていきます。

プランナーからデータ表を受け取るのがチーフオペレーターです。

照明操作卓を操作する人のチーフです。ここからは本物の舞台です。

チーフオペレーターは照明チームのリーダーでもあります。

 

現場に集まったスタッフを統率して「仕込み」という作業から始まります。プランナーが描いた仕込み図の通りに照明機材を配置していきます。上部に吊り下げるもの、舞台上に置くもの、客席の天井や壁に有るもの、等々様々な場所に照明機材を持っていって設置します。

この時に同時に指定された色(カラーフィルター)を入れていきます。この時に機材の向きや用途を理解して設置しておくとこの後のシュート作業が格段に楽になります。

こうして照明機材の配置が終わると、「シュート」という作業に入ります。

11台の機材をプランナーの指示通りに向きと光の当たる範囲を調整していきます。

直接触れる場所と直接は触れない場所があります。

舞台上はローリングタワーいうキャスターの付いたはしごのようなものに上って触ったり、竿といっていますが操作棒というもので向きを変えたりしてシュート作業を行います。

オペラや芝居のように場面ごとに舞台セットが変わるものでは、セットも変えながらシュート作業をしていきます。

シュート作業が終わると明かり合わせといって、実際にデータ表に書かれたシーンを作り上げていきます。

ここで変更が有れば記録していきます。

併せてきっかけ(照明を変化するタイミング)、変化の仕方(ゆっくりとか早いとか)も確認します。

この時点でセットも本番の通りに飾りますし出演者も衣装を付けて舞台に立ったりもします。

明かり合わせの次はゲネプロ(GP)といって本番通りのリハーサルをします。

明かり合わせで作ったシーンを確認しながら出演者の動き、音楽などにも合っているかを確認します。

不具合が有れば修正して記録します。

 

音響

 

舞台音響と一言で言っては見ましたが、催し物のジャンルによってあまりにも違いが在りすぎるような気もします。

クラシック音楽のコンサートでは生の音なのでほとんど出番はありません。

一般的な話にしておきます。音響の仕事で一番の基本が演奏者にも客にも音が聞こえていることです。

電気を使って拡声することをPAといいます。

パブリック・アドレスの略です。SR(サウンドリインフォースメント)という呼び方もします。

全ての客に対して同じようにサービスをするというような意味です。

ごく一般的に全ての機材を持ち込んだ場合を想定して説明します。

会場が決まればその会場に合わせた音響プランを考えます。

最初にスピーカーを決めます。

どういう種類のものを何台用意するか。

ジャンルによっても変わります。

ロックなど音量が要求されるものは数が多くなってしまいます。

品が変われば音も変わります。

ジャンルと好みで使い分けます。

スピーカーが決まればその個数に応じてアンプの数が決まります。

設置方法や電源容量も検討しなければなりません。

アンプ1台につき1KWから1.5KWの電力を消費します。良い音を出すためには良い電源を確保することも必要となります。

ミキシングコンソールの選定も大切な作業の一つです。

マイクを何本使用するのかで規模が決まります。

最近のPAの現場では24~48チャンネル入力のものが使用されます。

マイクと周辺機器の選定は複雑です。

好みにもよりますが、楽器の種類などによってマイクが変わります。

一つの現場でマイクが10種類を超えることもあります。

スピーカーなどの音を補正するグラフィックイコライザーやパラメトリックイコライザー、残響音を付加するリバーブレーター、必要のない音をカットするノイズゲートなど周辺機器と呼ばれる物は多種多様です。

舞台から客席のコンソールまでを結ぶマルチケーブルがあります。

マイクなどの線を1本にまとめて在るものです。

これが在れば30本のマイクを使っても舞台とコンソールの間は1本のマルチケーブルを引くだけですみます。

現場に入ると全員でトラックから機材を降ろして、スピーカーの設置作業に取りかかります。1つが重さ100kgなどという物もたくさんあります。

その後ミキシングコンソールを客席に運び、マルチケーブルを引きます。

ここまでが重労働です。

これから先は、舞台チームと客席チームに分かれて作業を行います。

舞台チームはアンプの設置、マイクの設置を、客席チームはコンソールと周辺機器の設置を行います。

機材の設置が終われば電源を入れていきます。

最初にミキシングコンソール、周辺機器、最後にアンプです。

スピーカーから正常に音が出るかを最初は小さな音で確認します。

もしも誤配線があったとしても機材がつぶれないように、最初は小さくです。

確認が終われば音出しです。

メインスピーカーの音量と音色を決めます。

自分の声でチューニング(音色を決めていくこと)をする人とCDなどの音楽で決める人があります。

大抵はどちらも行います。

ここが勘所でこの作業をしっかりしておかないと後で痛い目に遭うことになります。

最近では機械でチューニングする姿も結構見受けられるようになってきました。

スピーカーの音が決まればマイクチェックです。

指定された回線に指定されたマイクがつながっているか、マイクの音量や音色は正常かをチェックするのです。

必要が在ればハウリングマージンをとります。

(マイク→スピーカー→マイクというループが出来てピーとかギャーとかいう大音量が出てしまいます。こうならない限界を確かめる作業です。)

いよいよ音作りです。

最初はドラムス。

皮の楽器は音を作るのが難しくて苦労します。

ドラムスの音で音楽が変わってしまいますのでここは慎重に。

PAの場合(レコーディングでも)積極的に音色をさわって音を作ります。

マイクは限りなく楽器に近いところに設置しますのでその楽器の音を耳で聞いたのとは明らかに違う音がマイクからは入ってきます。

その音はあくまでも素材なのです。加工して初めて耳慣れた音として世に出ることが出来ます。

ミキシングコンソールにはこの作業を支える強力な機能がたくさん詰まっています。

その機能をフルに使って音を作っていくのですが、ミキシングコンソールにはない機能も出てきます。

ここで周辺機器の出番となるわけです。

残響を付加したり、(マイクが楽器に近いので響きを拾わない事が多く、リバーブレーターは必ず必要となります)音を圧縮したりという加工を周辺機器が受け持ちます。

次にベース、ギター、キーボード、最後にボーカルという順で音を決めます。

簡単言うとリズム、伴奏、メロディーの順です。別に順番が決まっているわけではないのですが、音楽の要素から見ても理にかなっているように思います。

マイクの設置はとても重要です。ミキシングコンソールの性能がいかに良くても入ってこなければどうにもなりません。

経験と理論で判ってはいるのですが、時として何回もやり直すときもあります。ほんの数センチ、数ミリ違うだけで大きく音が変わります。「こんな音を作るときはマイクわここ。」みたいな。

経験が大切です。

あくまでも音楽ですから、音楽としてのバランスを作らなければいけません。

どんなに美しい音色でドラムスがなっていても歌が聞こえなければ音楽ではありません。

自分の中のリファレンスが大切です。

ロックはこれ、ジャズはこれ、演歌はこうだというようにジャンルによってバランスも音色も変えなければなりません。

ハードロックだと言っているのに演歌の音色とバランスではなんだか泥臭いロックになってしまいます。

こういう作業で演出の手助けもしています。

 

 

舞台監督の仕事

1 自由な発想を実現するために

2 舞台監督はクリエイティブな仕事

3 舞台スタッフとしての経験を見分けるポイント

仕事のすすめ方と舞台監督の役割

1 舞台づくりのプロセス

2 舞台美術を中心とした仕事の流れ

劇場入りまでの仕事

1 スタッフ会議の召集(演出プランの発表)

2 各スタッフとの打ち合わせ

3 上演著作権料について

1)上演著作権料の設定について

2)上演許可願いについて

4 大道具の製作とチェック

1 大道具の製作

1)美術プラン決定にいたるまでの助言

2)大道具の発注

3)製作にあたってのチェック

4)自分たち大道具を製作するときのポイント

2 防炎加工について

 

5 大道具以外の準備

1 小道具の手配

2 特殊効果

3 衣裳の手配

6 稽古の進行

1 顔合わせ

2 稽古場で準備すること

3 稽古スケジュールの作り方

4 稽古の進め方

7 劇場との打ち合わせと届け出書類

1 劇場との打ち合わせ

1)劇場入りまでの準備

2)劇場との打ち合わせ

2 劇場への届け出書類

1)公演概要

2)舞台仕込み図

3)舞台進行表(場面)

3 消防署などへの届け出書類

1)催物の開催届け

2)禁止行為の解除申請

劇場入りから本番まで

1 搬入

2 仕込み

3 舞台稽古

1)舞台稽古のタイムテーブルの作成と進行

2)舞台稽古のチェックポイント

3)ダメだし

4)転換稽古

5)舞台稽古後のチェックと確認

4 本番での舞台監督の仕事

1)本番前のトラブル

2)本番前の仕事

3)本番中の舞台監督

ばらしから搬出まで

1 終演後の仕事

2 ばらしと搬出

1)ばらしと搬出のために準備すること

2)ばらしと搬出の注意点

3)会場の現状復帰と会場への挨拶

4)舞台監督に必要なこと

10 舞台をつくる

1 道具と材料の使い方

1)木材の種類

2)布の種類

2 釘の使い方

1)釘の種類と適した材料

11 床を決める

1 地絣を張る

1)地絣の張り方

2 リノリュームマット(バレエマット)を使う

3 パンチカーペットを使う

4 グラスマットを使う

5 タップボードを使う

6 コンパネを使う

7 ポータブルステージを使う

8 所作台を使う

9 仮設で舞台を組む

12 幕をつける

1 舞台の幕の種類と役割

1)緞帳

2)暗転幕

3)定式幕

4)中割幕

5)大黒幕

6)ホリゾント幕

7)一文字幕

8)袖幕

9)東西幕

2 額縁を決める

1)袖幕を決める

2)一文字幕の決め方

3 引き幕をつくる

1)カーテンレールを使った引き幕

2)ワイヤーを使った引き幕

3)引き幕の開閉

4 中割幕をつくる

5 幕を絞り上げにする

6 オペラカーテンをつくる

7 巻き上げをつくる

8 揚げ幕をつかう

13  高さをつくる

1 山台を組む

1)山台の名称と高さ

2)平台の寸法と使い方

3)箱馬の寸法と使い方

4)蹴込みをつくる

2 平台をつくる

3 足をつくる

4 階段をつくる

5 開帳場をつくる

6 屋体を組む

7 イントレを使う

8 トラスを使う

9 会場の高さを利用する

14 吊る

1 幕を吊る

1)サイズが合わない時の工夫

2)紗幕の吊り方

3)桁吊り

2 パネルを吊る

1)吊るための用具

2)厚みのある物を吊る

3)吊り方の基本と順序

3 仮設バトンをつくる

4 宙吊り

5 ブランコを吊る

6 いろいろな素材を吊る

7 ジョーゼットを絞る

8 だまし絵を使ってみる

15 立てる

1 立てるための基本

2 パネルを立てる

1)パネルの作り方

2)支木

3)人形立ての使い方

4)ヌキチョウバンの作り方と使い方

5)箱馬を利用する

3 立木や電柱を立てる

1)ベーススタンド

4 花や草などを植え込む

1)ローベーススタンド

5 ワイヤーを使って立てる

16  舞台の仕掛けと表現のための工夫

1 動かす(1

1 舞台転換

1)暗転転換

2)明転転換

3)舞台転換の工夫

2 引き枠(ワゴン)を使った転換

1)引き枠をつくる

2)キャスターの種類と使い方

3)引き枠を使う時の注意

4)引き枠の応用

3 盆機構を使った転換

(1) 盆をつくる

4 スライディング・ステージを使った転換

5 パネル(張り物)を使った転換

1)背景パネルを開く

2)パネルのあおりを使う

3)田楽を使う

6 幕を使った転換と場面表現

1)背景幕を使う

2)幕の動きで場面を表現する

3)幕類を効果的に使う

4)背景幕をゆらす

7 箱やブラインドを使った表現

1)多面体の箱を使う

2)ブラインドを使う

17 動かす

1 キャスターを使う

1)人形立てにキャスターをつける

2)小さな引き枠つくる

3)いろいろなものにキャスターをつける

2 布を使う

1)水布を使った表現

2)雪布を使った表現

3)滝を表現する

4)焚き火の炎をつくる

3 蹴込み利用して動かす

4 テグスやロープを使う

1)舞台上の小道具、出道具などを移動させる

2)自動的にドアや窓を開閉させる

3)木の上の小鳥やフクロウ、リスなどを動かす

4)本来は機械の動力で動くものを手で動かす

5)胸像や仏像、狛犬を動かす(回転させる)

6)飛行船を飛ばす

7)布を引き抜く

8)幕の形を変える

9)木の上に積もった雪を落とす

10)木の枝で実っている果物を落とす

11)影絵人形を動かす

18   落とす

1 振り落とし

1)振り落とし幕

2)振り落としの仕掛け

3)二段落とし/三段落とし

4)厚みのある物を同じところから落とす

5)すだれ落とし

6)トイ落とし

7)引き栓

2 雪を降らせる

1)雪かご

2)布で作る雪カゴ

3 小物を落とす

4 砂を落とす

5 少量の水を落とす

6 ポンプから水を出す

19   飛ばす

1 ワイヤーとロープを使う

2 斜めに飛ばす

3 蝶を飛ばす

4 火の玉を飛ばす

5 風の効果を使う

6 送風機を使う

7 トランポリンを使う

20   崩す

1 屋体崩し

2 歌舞伎の屋体崩し

3 簡単な「崩し」の仕掛け 棚を落とす

4 細い木や木の枝が折れる

5 吊り点をゆるめることによって崩す

6 時間をかけて崩す

7 入れ替える

21  消す

1 ドンデンをつくる(ドンデン返し)

2 紗幕を使う

1)紗幕の効果

2)白紗と黒紗

3)寒冷紗

4)英国紗

3 ハーフミラーを使う

4 影絵スクリーンを使う

5 消し幕を使う

6 フラッシュバルブを使う

7 フラッシュコットンとフラッシュペパー

8 ブラックライトを使う

22  煙を使う

1 煙による表現

2 煙の種類

1)ドライアイスの煙

2)スモークマシン

3CO2ボンベ(圧縮液化二酸化炭素)

4)火薬系の煙

5)粉を使う

6)こがす

3 提灯抜け

4 つづら抜け

23 こんな時どうする、知っておくと便利

1)床印をつくる

2)トランシーバーを上手に活用する

3)両面テープと養生テープ

4)床にテープを貼れない時

5)床にどんな釘も打てない時

6)バトンの長さが足りない時

7)吊りバトンの数が足りない時

8)緞帳がなく仮設もできないが、どうしてもはじまるまで舞台を隠しておきたい時

9)幕(布類)のたたみ方

10)ストッパーをつくる

11)バインド線のケース

12)何かあった時、暗転幕を使う・黒衣を使う

13)電動バトンのバミリかた

14)非常灯を隠す

15)基本仕込み図をフイルムにコピーする

16)搬入口と緞帳の関係について

17)クリップや安全ピンを使う

18)カラビナをつかう

19)専用の物差しをつくる

20)サービスライトをつかう

21)滑車は音のしないものを使う

22)譜面台を使う

23)霧吹きを使う

24)パンチカーペットとマジックテープの相性

(25)色見本と紙見本を利用する

 

 公演.演出

 

あかてん(明転)

舞台が明るいまま舞台転換をすることをいいます。「いどころ換わり」や「回り舞台」、「スライディング・ステージ」、「迫り」などによる転換で使われることが多く、舞台裏の「見切れ」などをぼかすために多少光量を落とす場合もあります。「暗転」の対語で、「めいてん」ともいいます。

 

あしびょうし(足拍子)

神楽・能楽・歌舞伎で足の裏全体で床を踏むことです。

 

アドリブ 

ラテン語の「好きなように、気ままに」という意味の言葉が英語化したものです。

即興演奏の事や演劇などの台本に書かれていない即興的なせりふや動作のことをいいます。

 

ありもの(有り物)

劇場や劇団などがすでに所有していて新たに注文して作らなくてすむ物をいい、主に小道具・衣装などに用いる用語です。

 

アンコール 

 「再び」という意味の仏語が元の言葉です。

バレエ・音楽会などで出演者の出来栄えをたたえて、拍手掛け声などを送って再度の演技(演唱・演奏)を求めることをいいます。

また、好評であった演じ物を再演する場合に「アンコール公演」という呼び方をしています。

 

あんてん(暗転)

舞台転換を照明を消した暗い中で行う事をいいます。

幕を開けたまま、舞台・客席とも照明なしで行う場合と、舞台は「暗転幕」を降ろして、幕の中に照明をつけた状態で行う場合とがあります。

転換のない真っ暗な状態を、誤って「暗転」という人が多くなっています。

 

いかす(生かす)

一度中止したものを再び上演することをいいますが、かなり広い範囲に使われる言葉です。

削った台詞を生かしたり、裏の仕事の手順や段取りを復活させたりする場合にも使います。

 

いしょぅしらべ(衣装調べ)

衣装の「付け帳」によって整えられた衣装を、上演前に俳優各自が実際に着てみて、形・寸法・色彩・模様などが役柄にあっているかどうか、あるいは演技に支障をきたさないかなどの出来具合をしらべることをいいます。

俳優・演出家・製作者・作者・舞台監督・衣装デザイナー・舞台美術関係スタッフなどが立ち会います。

 

いたつき(板付)

「板」とは舞台のことで、幕が開いたとき、あるいは廻り舞台が回ってきたとき、出演者がすでに舞台にいることをいいます。またその役のこともいいます。

 

いちのき(一の柝)

歌舞伎では舞台進行の合図として「拍子木(柝)」を用います。

道具の転換をする場合、「転換用意」の合図に一度「チョーン」と打ち、次に「転換開始」の合図としてもう一度「チョーン」と打ちますが、この場合に最初に打つ柝を「一の柝」、次の柝を「二の柝」といいます。

 

いち(一)ベル

劇場で開演を予告するために鳴らすベル、ブザーまたはチャイムのことをいいます。

ロビー、廊下などに居る観客に着席をうながす為に、観客席と、廊下の両方で通常開演5分前に鳴らす「予鈴(よれい)」の事です。

小さい劇場などでは3分前に知らせるもあります。

尚「二ベル」は開演ベル又は本ベルといい開幕寸前に観客席で鳴らします。

 

いっちょうき(一丁柝)

歌舞伎において開幕中に使用される「柝」の用法の一つですが、「迫り」の上げ下げや「振り落とし」「振り被せ」などのきっかけの合図として打たれる単発の「柝」のことをいいます。「一丁の柝」あるいは「一丁」ともいいます。同じ一丁の柝でも、「幕開き」や「幕切れ」の「柝の頭」や「止め柝」と区別した言い方です。

 

いってこい

舞台装置や照明の転換で、A場面の次にB場面になり、それが終わって、また元のA場面に戻ることをいいます。

本来は俳優が二つの劇場を掛け持ちし、A劇場からB劇場に行き、またA劇場へ戻ることをいう言葉です。

 

いっぱいかざり(一杯飾り)

①舞台全体に飾り込んだ舞台装置のことをいい、一つの演目の全幕を一つのセットで上演する場合にこういいます。

②「回り舞台」上に一杯の大道具を飾る事もこういいます。

回り舞台上に二場面あるいは三場面を飾った時、それぞれを「二杯(二面)飾り」「三杯(三面)飾り」といいます。

 

いどころ(居所)

登場人物の舞台上の定位置を指します。

歌舞伎では役によって位置する場所が大体定められています。主役は舞台中央か上手、脇役は下手に位置するのがふつうで、女房役は亭主役より後ろに下がり身分の高い役は中央か、上手に座ることが多いようです。

 

いどころがわり(居所換わり)

回り舞台を使用せず、役者が居所のまま道具を転換させることをいい、種々の仕掛などを用いて観客席の目の前で舞台道具を変化させることです。

「あおり返し」・「迫出し」・「がんどう返し」・「田楽(でんがく)返し」「引き道具」などがあります。

 

いれこみ(入れ込み

劇場の入口の扉を開いて観客を入場させることをいいます。現在では開演30分前に始めるのが一般的です。

 "開場"ともいいます。

 

いろもの(色物)

寄席演芸の総括的名称です。

かつては寄席そのものを色物席と総称していました。

東京の寄席が落語を中心に演じ物を組むようになってからは、漫才・奇術・太神楽・音曲・声色・紙切りといった落語以外の演芸を指す言葉となりました。

中心となっている演芸に彩りを添えることからこの名があります。

                                           

インターバル 

「幕間(まくあい)」、休憩時間のことです。

 

うける(受ける)

観客に喜ばれることをいいます。「受け」をねらう、などのように用いられます。

 

うちあげ(打ち上げ

「千穐楽(せんしゅうらく)打ち納め」の意味で、興行の最後の日のことをいいます。

現在では興行最終日に行う興行の無事終了を祝う祝宴のことをいいます。

 

うちだし(打ち出し)

一日の芝居の終わることをいいます。

歌舞伎劇場で芝居が終わった時の合図として下座で「打ち出し」の太鼓を打つことから起こったと思われる劇場用語です。

 

うら/うらかた(裏/裏方)

「裏」は劇場の緞帳を仕切りとして、舞台側と客席側に分けた場合の舞台側を総称して  いいます。

「裏方」は出演者を除く舞台裏で働く全ての人を指す言葉です。

舞台監督・大道具係・小道具係・衣装係・床山・照明係・効果係・楽屋係などの総称です。

 

エピローグ 

ある物語が終わった後に、より効果を上げるために付けられる短い場面の事をいいます。

 

えんしゅつ(演出)

「戯曲」や「脚本」の再生的イメージを立体的、時間的な具体的イメージに転換する仕事のことをいう言葉です。

上演台本の決定から上演までの創造過程で、作品としてそのような形で観客に提示するかに主眼をおき、配役・俳優の演技・装置・照明・衣装・音響・効果・小道具などを統一して、芸術的に融合調和させる作業をいいます。

公演態勢になってからは、「舞台監督」がこの役割を引き継ぎます。

 

えんしゅつか(演出家)

「演出」の過程を具体的に実践する専門家のことです。

「戯曲」を解釈し、その解釈に従い、俳優の稽古を行い舞台装置・照明・音楽などに指示を与え、芸術的・技術的な統一を図る人をいいます。

 

エンターテイナー

観客を楽しませる娯楽的要素を主とした演技を行う芸人のことをいいます。

 

エンディング 

演劇や楽曲の終わりの部分のことをいいます。

一つの公演の終わりの部分をどのように構成するかは、演出家や出演者の力点を置く部分です。

 

おおぎり(大切り)

歌舞伎狂言の並べ方の内、その日の最終の演目のことをいいます。

「大喜利」とも書きます。

 

おおづめ(大詰め)

二幕以上の劇の最終幕のことをいいます。

 

オーディション

演出家・プロデューサー等のスタッフがイメージにあった演出を行うための出演者を選出するために、出演希望者の演技・歌・舞踊などについてテストを行うことをいいます。

 

おおべや(大部屋)

大勢の出演者が入れる楽屋のことをいいます。

歌舞伎では端役の入る楽屋または端役のことを「大部屋」と呼んでいます。

 

おきどうぐ(置き道具)

机・椅子・戸棚などの家具類で舞台装置の一部として、幕が開いた時にすでに舞台上に置いてある小道具のことをいい、「出道具」ともいいます。「持道具」に対する言葉です。

                             

おはやし(お囃子)

歌舞伎劇の伴奏音楽である「下座音楽」とその演奏者のことを指します。

歌舞伎の囃子は、笛(能管)と小鼓・大鼓・太鼓(締太鼓)などで演奏しますが、この四つの楽器は舞台上に出て演奏することもある基本の楽器で、「四拍子(しびょうし)」といいます。

その他三味線・大太鼓・篠笛などが主な楽器ですが、各種の管弦打楽器が含まれます。

唄方と三味線方を除く「お囃子」の演奏者は「鳴物師」とも呼ばれます。

現在では、鳴物や唄・三味線も含めて、「下座音楽」を演奏する人すべてを「お囃子」ということが多いようです。

 

おもてかた(表方)

劇場の緞帳を境にして、その表(観客席)側で働く人々のことをいいます。

プロデューサー・入場券売り場の係・もぎり(入場受付係)・営業・経理・宣伝係などの劇場の興行経営面にたずさわる関係者を総称していいます。

 

オン・ステージ 

舞台に出演者が上がることをいいます。

 

か(科)

「科」は「仕種(しぐさ)」を意味する言葉で、俳優の身体の動き全体を指す言葉です。

身振り・動き・仕方・こなしなどともいわれます。

 

カーテン・コール 

幕が降りた後に観客の賞賛の拍手に応えて再び幕を開けて喝采に応えること、または出演者が幕の前に出て喝采を受けることをいいます。

最近はプログラムの中にあらかじめ「カーテンコール」が組み込まれていることもあります。

 

かいえん(開演)

興行(公演)などが開始されることをいいます。

 

かいしゃく(介錯)

扉や障子の開閉など演技者の動作・行動の介助をすることをいいます。

そのほかにも舞台での作業全般にわたって介助・補助することを「介錯する」といい、舞台では日常的に使われる言葉です。

 

かえし(返し)

演劇などの稽古の途中で具合の悪いところを、その小部分だけ繰り返して稽古する「小返し」のことですが、単に「返し」という場合も多いようです。

 

かおあわせ(顔合わせ)

公演の稽古始めに出演者スタッフ全員が集まって、文字通り顔を合わせることをいいます。

また、所属劇団、プロダクションや分野などが違う出演者が同じ舞台に出演する場合に「異色の顔合わせ」といったりします。

 

かおよせ(顔寄せ)

歌舞伎興行の稽古に入る前に、上演関係者全員が集合して、作者が狂言名題を読み上げ、手を打って散会する儀式のことをいいます。

これは明治時代に起こり、現在も続いていますが、歌舞伎以外でも、公演一座の臨時結成式として行われる場合があります。

 

かきぬき(書抜き)

本来は歌舞伎劇で、「脚本(台帳)」の中から一つの役の台詞(せりふ)だけを書抜きした物をいい、これを役者が受け取るとその役を引き受けたことを意味しました。

今では広く各分野において、必要な部分を抜き書きすることなどに用いられます。

例えば、道具帳の「書抜き」などといいます。

 

がくや(楽屋)

出演者が化粧したり衣装を着るなど、上演に必要な準備・待機をする部屋のことをいいます。現在では、舞台裏で働く人々の準備・待機をする場所の総称ともなっています。

 

かげいた(陰板)

舞台の陰の「板付き」の事です。

公演の幕開きのときにすでに舞台の陰で待機している出演者のことをいいます。「板付き」に対する言葉で、「陰の板付き」の意味です。

 

かげうち(陰打ち)

歌舞伎舞台で俳優の動作に伴う音を誇張するために、大道具方が上手袖の床に「付板」を置き、拍子木で打つ「つけ音」のことで、それを「陰打ち」といいますが、単に「つけ」ともいいます。

高揚する場面を印象づける効果を出します。

 

かげまわし(陰回し)

舞台の幕を降ろし、観客の目を遮って回り舞台の転換をすることをいいます。

 

かざる(飾る)

大道具・出道具を舞台に組み立てる事をいいます。

また「飾り込み」、「建て込み」、「組み込み」などともいいます。

 

かたりもの(語り物)

邦楽の歌と語りからなる物語音楽の中で、語り聞かせる叙情詩的な筋のあるもののことをいいます。

「言葉」の内容表現やアクセントなどが重視される声楽曲のことで、代表的なものとして、平曲・浄瑠璃・講談・浪花節などがあります。

 

かはく(科白)

舞台俳優の「身体の動き(しぐさ)」と「言葉(せりふ)」全般を表す言葉で、科は「しぐさ」、白は「せりふ」を意味します。

 

かぶせる(被せる)

すでに飾ってある舞台装置の前面を、別のドロップまたは張物で覆い、それまでとは別の場面にすることをいいます。

 

かぶりもの

俳優が扮装するための、かつら以外に頭にかぶる物の総称をいいます。

 

かみだし(上出し)

「回り舞台」を時計回りに上手側を舞台前方に回転させる事で、「逆回し」ともいいます。

 

かみて/かみ(上手/上) 

観客席から舞台に向かって右側のことをいいます。

日本独特の客観的言い方です。

西洋では俳優の側からの見方で舞台から客席に向かって左(left)といいます。

 

からぶたい(空舞台)

舞台装置などが全く飾られていない空っぽの舞台のことを、また舞台上に出演者がいない状態のことをいいます。

 

き(柝)

人形浄瑠璃・歌舞伎などで使用する拍子木のことをいいます。

柾目(まさめ)の通った樫の木で造ったものを用い、劇の進行のいっさいの合図は、すべてこの拍子木の音で行います。

 

きえもの(消え物)

舞台の進行中に出演者が使用する飲食物・タバコなどをはじめとして、舞台で使うローソクなどや、破るもの・壊すものなどの消耗品を指し、主に小道具扱いの品物のことをいいます。

今では意味が拡がり、効果用の氷・ドライアイス・灯油など舞台裏の仕事での消耗品も「消え物」といっています。

 

ぎじゅつかんとく(技術監督)

プロダクション(一つの公演形態をとったある集団)における、技術的側面のすべての統括責任者のことをいいます。

現状の日本では、舞台監督がその任務を代行あるいは背負っているのが普通ですが、本来的には舞台監督と技術監督とが別個に居て、公演の準備や遂行をすることが望ましいです。

外国での技術監督の業務の実例を挙げると、劇場建物の管理、作業安全対策とそのための設備管理、劇場実務担当者の人事管理と福利厚生対策、年間の公演計画に従ってのデザイン締切日の設定や制作部門などの具体的スケジュールの決定、デザイナーとの打ち合わせ連絡などの窓口、各パートの責任者と協力して製作図面の作成と必要経費の算出、などなどから始まって、公演終了後の舞台美術・衣装関係の品物の倉庫収納の手筈の調整から搬出・搬入の運搬の手配に至るまで、と実に広範囲にわたっています。我が国では、これから確立される仕事の分野です。

 

きっかけ 

行動を起こす良いタイミングを表す言葉です。

またはそれを知らせる合図のことをいいます。舞台の進行に必要ないろいろな合図全般のこともこう呼んでいます。

テレビ・放送などで使われてる、キューの同意語です。

 

きっかけあわせ(合わせ)

稽古の中で、俳優の登退場のタイミングや裏の各パートのそれぞれの分野でのタイミング、・・・例えば照明の変化のスタートのタイミング、音響効果の入るタイミングなど・・・を合わせる為に行う、きっかけだけを主眼とした稽古のことを「きっかけ合わせ」といいます。

 

きのかしら(柝の頭)

歌舞伎において、幕切れのせりふや動きあるいは下座またはちょぼの程よきところを「きっかけ」にして大きく打つ「一丁の柝の音」のことをいいます。

世話狂言のときは、そのあとに段々小さく刻んでゆく「拍子幕の柝」を続け、幕が閉まるのに合わせてひときは強く「止め柝」をいれます。

 

きまる(決まる)

歌舞伎において、演技の振りが、高潮に達するか一区切りついた時、一瞬静止して形をつけることをいいます。

かりに演技に句読点をつけるとすれば、「見得」は句点「。」であり、「きまる」は読点「、」と言えるでしょう。

 

きゃくしょく(脚色)

小説・随筆・詩などの演劇のための作品でないものを、演劇上演のために脚本に書き直すことをいいます。

 

きゃくほん(脚本)

俳優によって舞台で演じられる事柄を、「せりふ」を主体に、「ト書き(演出・演技・装置・照明・音響効果などに関する作者の指定)」をいれて文字で表現したものをいいます。

脚本は戯曲とほぼ同義語ですが、脚本はあくまでも演劇上演を目的とした作品です。

 

ぎゃくまわし(逆回し)

「盆(回り舞台)」を時計回りに上手から下手の方向に回すことをいい、「本回し」の逆なのでこう呼びます。一般的に「上(かみ)出し」と呼んでいます。

 

くろご(黒衣)

歌舞伎において、登場人物や、舞台の進行について介添えをする人(後見=こうけん)のことをいいます。黒木綿の衣服に黒い頭巾を被り、舞台上で合引(あいびき=舞台に控えている役者の形を整えるために使われる黒い腰掛けの一種)を出したり、品物を渡したり、俳優の衣装を変化させる手伝いをしたり、不要になった小道具を片づけたりする役です。

歌舞伎をはじめ舞台の世界では「黒」は「無」を意味するので「黒衣」は居ないものとみなす約束事となっています。

ときに「黒子=くろこ」と誤記、誤読されることがありますが、「黒子」は「ほくろ」と読みます。背景が海や雪の場面の場合に、水色や白の衣装を着ることもあります。

 

けい(景)

演劇の脚本の中の場面割りのうち、一つの幕を小さく分割したものの呼び方です。

第一幕・第一景のように使います。

 

げざおんがく(下座音楽)

歌舞伎劇の伴奏音楽のことをいいます。

三味線・鳴物・唄のうちの一つだけの伴奏によるものと、それぞれが組合わさったものがあり、琴や胡弓が加わることもあります。

長唄囃子連中が担当します。歌舞伎の中で舞踊劇と写実的要素の多いしぐさとせりふを主とする科白劇とが区別されるようになり、舞踊劇では「出語り」や「出囃子」といって舞台に並んで演奏しますが、科白劇の伴奏音楽は観客から見えないところで演奏をするようになりました。

舞台下手大臣柱の外の黒板塀で囲まれ、黒御簾(みす)を掛けた中で演奏します。

「黒御簾音楽(くろみすおんがく)」ともいわれています。

 

けす(消す)

舞台上に飾り込んだ大道具、小道具などが演出上の変更などで不要になった時に取り除くことをいう言葉です。

 

ゲネプロ 

一般試演の意の略された言葉で、舞台稽古のことを指します。

本番と全く同じ条件にて舞台で行う稽古のことで、オペラの分野でよく使われる言葉です。

 

こうけん(後見)

歌舞伎において演技中の俳優の後に控えていて、衣装を直したり、着替えを手伝ったり、小道具の受け渡しや片づけなどをしたりする人のことをいいます。

歌舞伎では多くの場合、黒い衣装に黒頭巾の「黒衣(くろご)」がこれに当たりますが、舞踊や特定の演じ物では紋付き袴や、裃(かみしも)姿で介添えをします。

さらにかつらを付けて務める演目もあります。

 

こうばん(香盤)

出演者名とその役と出演場面を書いた一覧表のことをいいます。

後に、切符売り場で使う観客席の座席を描いた図表で、前売りで売れた席を消してゆく物のことも「香盤」というようになりました。

 

こがえし(小返し)

演劇などの稽古の途中で具合の悪いところを、その小部分だけを繰り返して稽古することをいいます。

 

こぎれ(小切れ・小裂)

衣装に付属する小さな布類、またはそれを扱う人を指す言葉です。手拭い・足袋・シャツ類と暖簾など大道具に付ける物も取り扱いますが、衣装・小道具とも分類は難しく、主に実用的な布製品を指します。

 

こけらおとし(柿落とし)

新築または改装した劇場での初めての興行のことをいいます。

 

こどうぐ(小道具)

舞台で使う家具什器、室内の装飾品、俳優が携帯する品物などの総称です。

またその担当者のことは「小道具方」といいます。舞台で使用される、装身具・鞄・刀・傘など手に持つ物(「持道具」)、家具などの舞台に置く物(「置道具」)、ローソク・食品など舞台上で無くなる物(「消え物」)馬・篭などの乗り物などの諸道具のことをいい、大道具・衣装などと区別は複雑で、例えば、家の雨戸は大道具ですが、それに人を乗せたり、立ち回りに使ったりすると小道具の担当になります。

 

さんきょく(三曲)

地唄や琴の合奏形式の名称です。現在では箏(そう)、三絃、尺八の三種類の楽器で合奏することをいいます。

江戸時代には、尺八が一般人には禁止されていましたので、主に箏、三絃と胡弓で三曲合奏が行われていました。

 

シーン 

場面または情景を意味する言葉で、多様な使い方をします。

 

じうた(地唄)

邦楽の一種目である上方唄の別名で、江戸時代初期から京阪地方で行われ、盲人音楽家によって大成されました。

主に家庭音楽として発達し、唄いながら三味線を弾く、弾き唄いを原則としています。

三味線の技巧は最も繊細で、左指の使い方が複雑です。やや太く大きい三味線、中桿を用います。

 

しかけ(仕掛け)

演出上の要求から、大道具・小道具、衣装などに変化する仕掛けをすることをいいます。

 

じかた(地方)

歌舞伎舞踊(日本舞踊)等で、踊り手に対して唄や三味線等の音楽演奏する人(お囃子連中を除く)の事をいいます。

これに対して踊り手を「立ち方(たちかた)」といいます。

 

しこみ(仕込み)

上演にさきだって劇場で各分野の裏方が必要な準備をしてセッティングをする事をいいます。

 

して(仕手)

能における主役を演じる役柄のことをいいます。

 

しびょうし(四拍子)

能の囃子に使われる小鼓・大鼓(おおつづみまたはおおかわ)・太鼓・能管(笛)のことをいいます。またそれらの演奏者をも指します。

この四種の楽器は下座音楽などの邦楽でも使われています。

 

じまえ(自前)

俳優が演技に必要な衣装や小道具を、自分の持ち物を使う時に「自前」で、といいます。

いわゆる専門業者から借りないで調達をすませることです。

 

しもだし(下出し)

回り舞台の回し方で下手側を舞台前方から上手側の方向に回していくことをいいます。

古くは「本回し」というのが正しい言い方だったようです。

 

しもて/しも(下手/下)

観客席から舞台に向かって左側のことをいいます。

日本独特の客観的言い方です。西洋では舞台から客席に向かって右(right)といいます。舞台の下手と上手の両方を指すときに、よく「しもかみ」という言い方をします。

 

しゅうえん(終演)

最終幕の緞帳が降り公演が終了することをいいます。

 

じょうしき(定式)

舞台で使用される大道具・小道具・衣装などで一定の約束事で決められた物をいいます。

 

じょうしきもの(定式物)

歌舞伎の伝統の中で作られた劇場に常備されている、基本的な大道具や道具類で、絵柄や寸法が定(き)まっていて演目によって使う種類がきまっている大道具のことをいいます。

組み合わせや応用がきく寸法に出来ています。

同じように演目によって決まっている小道具・衣装・かつらなどの事もこう呼んで居ます。

 

しょにち(初日)

興行第一日目のことをいいます。歌舞伎では、従業員がいずれも座頭格の俳優の元へ行って賀詞を述べ、俳優は各自、終演後自宅へ門弟を集めて酒宴を開きました。

 

せりあげ(迫り上げ)

「迫り」で舞台に登場することをいいます。    

 

せりさげ(迫り下げ)

「迫り」で舞台面より下げて退場することをいいます。

 

せんしゅうらく(千穐楽・千秋楽)

興行の終了のこと、またはその日を指す言葉です。

昔は秋興行の末日と、顔見せ芝居の末日のことで、このとき俳優一同が舞台に並び、口上(こうじょう)を述べて、座元が立って千穐楽の舞を舞ったことから起こった名称です。

転じて、今ではすべての興行に使われる様になりました。

略して「楽(らく)」といいます。劇場の火災を恐れたために、秋の字を使わずに穐の字を使いました。

 

そうげいこ(総稽古)

最終段階の通し稽古のことをいいます。

このときまでに衣装調べが終わっていれば、衣装を着け、持道具なども使用します。

「そうざらい」ともいいます。

 

そうざらい(総浚い)

歌舞伎劇の稽古は「読合せ」「立ち稽古」「付け立ち(つけたち)」と進行し、「総浚い」の後で初日を迎えます。

道具の方で、仕掛物や早替わりなどがある場合には、別に「道具調べ」でその手順を浚います。

今の「舞台稽古」に相当する言葉です。

 

そで(袖) 

舞台の下手側と上手側の観客席から見えない部分を指す言葉です。舞台の「ふところ」というところもあります。

 

だいほん(台本)

上演に必要な条件・指示などが記入してある脚本のこと、つまり、上演に当たって劇の仕組み・舞台装置、せりふ、ト書きなどを完全に記録した脚本のことをいいます。

昔は「台帳」といいました。今では上演用の「脚本」のことを意味する「上演台本」の略語として用いられます。

 

だしもの(出し物/演じ物)

興行の演目つまりレパートリーのことをいいます。

 

たちげいこ(立ち稽古)

演劇などの稽古で台本の読み合わせの次の段階として、立って演技、動作を加えていく稽古のことをいいます。

この段階で装置プランに基づいて「二重」が組まれたり、持道具・音響効果などが付く場合もあります。

最終的には、「舞台稽古」の段階まで進むことになります。

 

だめ(駄目)

一般的に俳優の演技や舞台美術(道具・衣装)、照明などで、演出方針やデザインにそぐわない部分や寸法違いをいいます。

 

だめだし(駄目出し)

演出家、担当スタッフが上演に関するすべての事柄の良くない部分を修正して行くために、具合の悪い部分を指摘し、こうして欲しいと要請を出すことをいいます。

公演態勢に入ってからは、主に舞台監督が「だめ」を統括し、各担当者に訂正を指示します。囲碁の駄目から転じた演出用語です。

 

ちょぼ

歌舞伎劇に出演する竹本(義太夫節)連中の事をいう俗称です。観客席から見て舞台右手の大臣柱の外側の二階の位置で演奏するので、この場所を「ちょぼ床」といいます。

人形浄瑠璃(文楽)の義太夫より軽視された意味が込められている呼び方です。

 

ちょん・ぱぁ

日本舞踊などで、華やかな場面の幕開きを一層派手に見せる演出上の手法で、暗い中で幕が開き切って入る「一丁柝(いっちょうぎ)」でスイッチ・インする操作や、大詰めのキマリの「一丁柝」で、半明かりの客席照明を一瞬に明るくすることなどの操作をいう俗称です。

 

つかいまわし(使い回し)

本来は一つの芝居で使った出道具を、同じ興行の別の芝居で、もう一度使う事をこのように呼びました。今では、同じもの(大道具・小道具・効果音など)を他の演目や場面に利用することもいいます。

 

つけ〔うち〕(付け〔打ち〕)

歌舞伎においては緊迫した演技動作や「見得(みえ)」の決まりなどをより効果的にするために、舞台の上手の端の床上に置いた「付板(つけいた)」を拍子木で打って音を出して誇張します。

これを「つけ」といい、これを打つ人を「つけ打ち」といいますが、大道具方の受け持ちです。

 

つけいた(付け板)

「つけ」を打つとき、拍子木で叩く板のことです。

 

つけちょう(付け帳)

ある演目の、一人一人の役(俳優)について、場面ごとに持道具・衣装・かつら・小切れ・履物などの必要なすべての物を詳細に調べ、演出家と打ち合わせて、それぞれを一冊の帳面にした物のことをいいます。

この「付け帳」によって各担当者が制作または調達をして、立ち稽古や舞台稽古に間に合わせます。

「付け」という場合もあります。

 

で(出)

舞台に登場することまたは登場していること全般をいう言葉です。

「出待ち」・「出語り」・「出打ち」などと使われます。

 

でいり(出入り)

舞台への登場、退場のことをいいます。

 

てうち(手打ち)

①劇場行事の名称の一つです。近世から歌舞伎界では、祝い事や取り決めの後に、関係者一同揃って「手打ち」をするのが習わしで、打ち方は三・三・三・一の数に打ち、これを「一本締め(いっぽんじめ)」といいます。

また二度繰り返す、三度繰り返すこともあり、それぞれ二本締め、三本締めといいます。

「手締め」ともいいます。

②劇団や演奏団体の「手打ち(自主)興行」のことをいいます。

 

ではやし(出囃子)

①歌舞伎音楽の演奏形式で、舞台の正面奥や下手または上手に浄瑠璃台(現在ではこれを一般に『山台』と呼んでいることが多いようです)を組んで、その上に、地方・お囃子連中が出て演奏をする場合をいいます。

②寄席などで落語家や漫才などの登場に使われる音楽(三味線・太鼓など)のことをこういいますがコントなどの登場のためのテープなどによる音楽をいうこともあります。

 

どうぐしらべ(道具調べ)

歌舞伎では舞台稽古を順調に進行させるために、舞台稽古に先立って、大道具・出道具を飾って手落ちがないかを点検することをいいます。

近年では照明などを含めた技術リハーサルにまで範囲を拡げてこの言葉が使われます。

 

どうぐちょう(道具帳)

舞台装置のデザイン・プランのことをいいます。

各幕各場ごとの舞台面透視図(色彩立面図)が基本ですが、各場面平面図・各部分詳細図など、大道具製作やセッティングの上で必要なものすべてを総称していいます。

 

とがき(ト書き)

脚本の中で、登場人物の特徴(表情や動作など)や出入りや場面の状況・照明・音楽・効果などの指定を、セリフとセリフの間に書いたものをいいます。

由来は歌舞伎の脚本では、作者が台詞(せりふ)意外に特に演技の指定などをしたいときに、せりふの後に「ト門口へ行こうとする‥‥」などのように、必ずはじめに「ト」と付けて書いたことからでた言葉です。

 

とくしゅこうか(特殊効果)

一般の舞台美術・照明の分野に含まれないものによる視覚効果のことをいいます。

舞台ではスモーク・マシン、ドライアイス、炭酸ガスなど、煙効果が主ですが、テレビ・映画ロケでは火薬や爆薬、火焔などの効果も扱われます。

 

とこやま(床山)

歌舞伎用語で、演技者の使用する「かつら」の装着、手入れ、保管などを担当する係のことで、それらを行う部屋を床山部屋といいます。

 

とちる

本来は俳優が舞台上の動きにきっかけをはずしたり、登場のタイミングをはずしたりすることを表す言葉です。

現在では意味が広がって、せりふを間違えたり、演技をやりそこなったり、まごついたりすることにも使います。さらに、俳優だけでなく裏方が転換のきっかけを間違ったり、舞台上でへまをすること全般をも「とちる」といいます。

 

とっこう(特効)

「特殊効果」の略語です。現場ではよく使われる言葉です。

 

とばす(飛ばす)

幕類・大道具などの吊物を「フライズ空間」に吊り上げることをいいます。

舞台準備中に照明器具を吊り上げる時などにも使われます。

 

ドライ・リハーサル 

テレビ用語で、カメラを通さずに行われる稽古のことをいいます。

本番前のカメラ・リハーサルに備えて行います。

 

とる(取る)

舞台関係者は、「終わる」「終わり」などのことばを嫌います。

終わる・終わりの同義語として「取る」「取り」を使います。また、「上がる」という使い方をする時もあり、たとえば、「これで稽古を取って上がりましょう。」

という用に使います。

 

とれる

終演となること、または稽古が終わることをいいます。

 

とんぼ(筋斗)

歌舞伎の代表的タテの一つで、主役に投げられたり切られたりした役者が、舞台上でもんどりを打って宙返りすることをいいます。

「とんぼを切る」という言い方が普通に使われます。

 

なかび(中日)

芝居興行のちょうど半ばの日のことで、この日に幹部俳優が楽屋の者、その他に祝儀を出す習慣があり、その祝儀の名称にもなっています。

今でも一般の興行のはぼ中間に当たる日をこういいます。

 

なかまく(中幕)

歌舞伎狂言の並べ方を表す言葉で、一番目の次に上演する一幕物の演目のことをいいます。

 

なりもの(鳴り物)

①下座音楽に使われる三味線以外の楽器の総称です。太鼓・大鼓(おおかわ)・小鼓・笛・大太鼓を中心とした、使われるすべての楽器のことをいいます。

②三味線と唄以外の器楽の合奏のことをいい、その合奏団のこともいいます。また、洋楽などの打楽器奏者が用いる種々の小物をいうこともあります。

 

にはいかざり(二杯飾り)

回り舞台での舞台装置の飾り方の一つで、背中合わせに異なった二場面を組み立てることをいいます。

 

に(二)ベル

「本鈴」のことをいいます。開演を知らせる合図ですが、ベルに限らず、チャイム・ブザー・合成音やS・E(効果音)・音楽などを使用することもあります。

 

ぬきげいこ(抜き稽古)

演出家の要望によって、重点的に稽古をする必要のある部分を抜き出して行う稽古のことをいいます。また、出演者の不在などの都合によって、出来る部分のみを稽古する場合にもいいます。

 

ば(場) 

演劇の脚本の中の場面割りのうち「幕」に次ぐ区切りである「場」を表す言葉で、第二幕第三場のように使います。

 

はく(白)

「白」は「台詞(せりふ)」を意味する言葉で、舞台で俳優が話す言葉をいいます。

その言葉には対話、独白、傍白などがあります。

 

はねる

その日の上演が終了したことを指す言葉です。

 

ばびる/ばみる

舞台稽古の際に、舞台上で出演者や大道具・小道具などの位置を決めて、決めた位置の床等に粘着テープなどで目印を付ける事をいいます。

「ばみる」ともいいます。

 

はやがわり(早替わり) 

本来は歌舞伎の演出の一つで、同じ俳優が素早く変身することをいいます。

衣装はもちろんメーキャップ・結髪(かつら)まで替えることが多く、大道具なども含めて場面を全く異なったイメージに転換させる場合に用いることもあります。

 

ばらす

設置してある道具・機器などを撤収することをいいます。また、不要になった大道具などを解体・処分することもいいます。

 

パロディー 

良く知られた作品等の一部を模しながら、内容を変えて滑稽化したり、風刺したりすることをいいます。

 

はんだち(半立ち)

読み合わせと立ち稽古の中間的段階の稽古で、俳優がせりふを覚えきれずにいる段階で、台本を手にして大体の動きを追いながら、読み合わせを行なう稽古のことをいいます。

 

はんまわし(半回し)

回り舞台を四分の一(90°)だけ回すことをいいます。

今までのセットの側面や、塀の外等別のシーンへ移行する演出を行なう場合に効果的な、回り舞台の使用技法です。

 

ひきぬき(引抜き)

歌舞伎における衣装の早替わりの手法です。

数枚の衣装を前もって着込んでおいた俳優が、舞台上で演技しながらきっかけで上の衣装を素早くはぎとり、一瞬のうちに別の衣装に替える事をいいます。

引抜きは「後見(こうけん)」が手伝うことになっています。

 

ひのきぶたい(檜舞台)

一流舞台を意味する言葉です。

昔、歌舞伎劇場のうち大劇場の舞台が檜の板で張られていたことから起こりました。

 

フィナーレ 

本来は音楽用語です。一演目のうちの終幕部分、大詰めのことをいいます。

 

ぶたいかんとく(舞台監督)

演出家を助けて、上演のための実務的な調整や進行の全責任を負うと共に、初日が開いてからは、演出家の意図に沿って舞台の進行を統括する専門家のことをいいます。

 

ぶたいげいこ(舞台稽古)

観客を前にする初日前の最終稽古として、公演する舞台での一切の条件を本番どおりにして行なう稽古のことをいいます。

この間に演出家を中心に、すべてが確認・点検・修正・決定されます。

 

ぶたいてんかん(舞台転換)

一つの公演の中で、次の「演目」や「幕」、「場」の為に場面(舞台装置)などを換えることをいいます。

 

ぶたいびじゅつ(舞台美術)

舞台における、演出に必要な視覚的要素を総称する言葉です。

舞台装置(大道具・小道具)のほか、演技者の衣装・かつら・メークアップ・舞台照明まで含まれる表現です。

 

ふところ 

観客席からは見えない舞台の下手・上手の空間のことをいいます。

「舞台袖」または略して「袖」と言うこともあります。

 

ふりおとし(振り落とし)

歌舞伎における場面転換の一つの手法です。舞台上部から吊ってある「浅葱幕(あさぎまく)」、「黒幕」「道具幕」などの幕をきっかけで一瞬に落とす技法ですが、次の場面が一瞬に現れる効果のため観客に強い印象を与えることができます。

「切って落とす」ともいいます。

「振り竹」という仕掛けのあるバトンによって操作します。

 

ふりかぶせ(振り被せ)

歌舞伎における場面転換技法の一つです。

場面が終わった所で、舞台上部に仕込んでおいた「浅葱幕」や「黒幕」などを一瞬のうちに降ろして広げ、その場面を覆い隠す事をいいます。

振り被せた幕の前で演技をしている間に後で転換を終え、被せた幕を再び振り落として一瞬のうちに次の場面に移行する「振り被せ・振り落とし」の転換も可能です。

いずれの場合もきっかけの合図としては一つ打つだけの「一丁柝」で行ないます。

 

ふりつけ(振付) 

舞台の身振り・手振り・舞などの順序や段取りを考案することをいいます。また、その振付をする人を振付師と呼びます。

また音楽などによって肉体の動きを考え、演出者に動きを付けることもいいます。

 

プロローグ 

序詞・序幕のことで、ドラマの導入部で主題や人物の紹介などを簡単に行なう部分のことをいいます。

「エピローグ」に対する言葉です。

 

プロンプター 

プロンプター・ボックス(歌劇場の舞台前端の中央に観客から見えないように作られた囲い)か、または、観客から見えない場所から台本を見ながら、舞台上の俳優や歌手に小声でせりふやきっかけを教える役の人のことをいいます。

歌舞伎では狂言方や後見がこの役割を務めます。かつてイギリスでは、舞台の上手側にプロンプターが居る決まりが有り、現在でも上手をプロンプト・サイド(P.S)、下手をオポジット・プロンプト・サイド(O.P)と表す場合があります。

ただし、アメリカでは下手、上手が入れ換わって、下手をプロンプト・サイド、上手をオポジット・プロンプト・サイドといいます。

 

プロンプト・サイド 

イギリスの比較的古くからある専門劇場で使われていた」用語で、プロンプターがいつも座っていた方向から生まれた、舞台の「上手」を指す言葉です。アメリカでは普通、「緞帳」の操作を行なう場所が下手側にあり、プロンプターもその近くに」いるため、この言葉は「下手」を意味しますので注意が必要です。

 

ほんあめ(本雨)

通常、降雨のシーンは音響や照明の効果によって行ないますが、必要によっては本物の水を降らせる事があります。それを「本雨」といいます。

 

ほんばん(本番)

映画界からの言葉で、テレビ・ラジオでよく使われている用語です。

生放送の場合は本放送のことを、録画・録音などの場合は最終録画(音)のことを指します。今では、広く観客の前で興行として上演することもいいます。

 

ほんまわし(本回し)

盆(廻り舞台)の回し方で、下手から上手の方向に回すこと、つまり反時計回しのことで、一般的には「下(しも)出し」と呼んでいます。

 

ほんみず(本水)

舞台上で本物の水を使って演出効果を高めることをいいます。

大きな水槽などによる大掛かりな場合もあります。

 

ほんよみ(本読み)

上演戯曲が決まって、稽古の入る前に、スタッフ・キャストを集めて、作曲または演出家が脚本を読んで聞かせることをいいます。

これによって登場人物の役柄や演出法を理解させ、作品の情緒を知らせることが容易になります。

 

ほんれい(本鈴)

開演を予告する「予鈴(よれい=通常5分前)」に対して、開演を知らせる合図のことです。普通はブザーですが近年はチャイムや音楽などテープ録音によるものもあります。

 

ま(間)

俳優の科(しぐさ)、白(せりふ)などの行動と次の行動との間の「間合い(まあい)」の事をいいます。その「間合い」の取り方で緊張感に起伏が生まれます。

「間に合う」「間が抜ける」などは、これから出た言葉です。

 

まき(捲き)

舞台などの進行を早くすることをいいます。

 

まく(幕)

一つの作品の中の大きなシチュエーションの区切りを「幕」、その幕の中に含まれる場面や時間経過などの小さな区切りを「場」といいます。

 

まく(幕) 

舞台で使用されるいろいろな用途の布製の幕類の総称です。

舞台機構・設備の一部で、吊り物として使われる「緞帳」「中割幕」「袖幕」や、舞台装置の一部として使われる「背景幕」「段幕」などがあります。

 

まくあい(幕間)

一つの公演で演目と演目の間や一演目の場面と場面の区切りに幕を閉めます。

この幕の閉まっている間のことをいいます。この「幕間」は観客にとっては休憩時間ですが、出演者と裏方にとっては次の場面の準備の為の時間です。幕間は「まくま」ではありません。「まくあい」と読んで下さい。

 

まくあき(幕開き)

一つの劇の一つの場面の幕が開き始める数瞬のことをいい、それは舞台の第一印象と言えるもので、重要な瞬間です。最近では物事の始まることをの何々の「幕開け」とよく表現しますが、演劇の用語としては「幕開き」が正しいのです。

また開幕直後の一つの場面、つまり序幕を指すこともあります。

 

まくうち(幕内)

いわゆる舞台裏全般の総称で、そこに働く人をいう事もあります。

楽屋を表す「幕の内(まくのうち)」という本来の言葉から来ています。

 

まくぎれ(幕切れ)

一つの場面が終わって幕が降りる直前の数瞬間のことをいいます。

最後の印象を残す瞬間なので「幕を切る」といって舞台芸術では最も重要視されています。

また、閉幕直前の一場面、つまり終幕を指すこともあります。

 

まくそと(幕外)

歌舞伎の幕切れに、幕を引いた外側、主に花道で演技が続く状態をいう演出用語です。

この時は、演技を続けている俳優を印象づけるために、「定式幕(じょうしきまく)」は全部閉めずに下手黒御簾前だけ開けておきます。

演技スペースを拡げるために、幕を奥へ引き寄せるのが普通です。

 

まつばめもの(松羽目物)

題材を能あるいは狂言から取った歌舞伎舞踊のことをいいます。背景には能舞台と同じように正面に根付きの老松を描いた「松羽目」、左右の袖には竹を描いた「竹板目」、下手に「揚幕」、上手に「切戸口(臆病口)」を使うのが普通です。

 

まわる(回る)

回り舞台(盆)を回して舞台転換をすることをいいます。歌舞伎の「脚本(台帳)」で「回る」と書いてある場合は「明転」を指す場合が普通です。

 

みえ(見得)

歌舞伎独特の演技形象のひとつで、芝居が最高潮に達した場面で、演技の高揚を誇張した表情や形でストップモーションにして見せる事をいいます。

「見得を切る」演技の基本は「にらみ」で、怒り・悲しみなどを首を振ったりしてにらみをきかせて表現します。

通常、「見得」の印象を強めるために「つけ」を打ちます。

 

みきれる(見切れる)

大道具を飾り付けたとき、観客席から舞台裏が見えてしまうのを「見切れる」といいます。

これは「見切り」の位置が悪いか、その寸法の見込み違いが原因です。

 

もぎり

劇場・ホールなどの入口でチケットをチェックして、半券をちぎること、またその係のことをいいます。

 

もちどうぐ(持道具)

出演者が持って舞台に登場する小道具のことをいいます。

装身具・ステッキ・刀剣などは持道具として公演期間中はふつう出演者が保管します。

持道具・陰道具などの区分は複雑で明確な物もありますが、長い間の伝統的習慣で分けられています。

 

やたいくずし(屋台崩し)

舞台転換法の一つで、演技の進行中に仕掛けによって舞台装置の一部または大部分を崩すことにより次の場面に移行する、また天変地異や戦乱のような災害場面を、観客の眼の前で展開して見せる技法のことをいいます。

 

やまば(山場)

演劇・舞踊・音楽などの全体的流れの中で、最も大切なあるいは高揚する部分をいいます。

 

よみあわせ(読み合わせ)

俳優が演出家を中心にして、各自の持ち役を声にして読んで、その駄目出しを受けながら、各人物の性格や行動などを研究しあう稽古の一段階のことをいいます。

 

よれい(予鈴)

開演を予告する合図で、通常5分前に客席・ロビーに鳴らします。「一ベル」ともいい、「本ベル(ニベル)」に対する言葉です。

 

ラン・スルー 

テレビ業界用語で、場面ごとに区切りながら(ブロッキング)でなく、全体を通して行なう稽古のことをいいます。

 

リサイタル 

独唱会・独奏会・独演会の事ですが、二人以上のソリストの合同演奏会の場合は、ジョイントリサイタルといいます。

 

リハーサル 

演劇や音楽の練習のことをいいます。

舞台ではドレス・リハーサル(衣装・持道具などを付けた総稽古)、テレビ関係ではカメラ・リハーサル、ドライ・リハーサルなどがあります。

 

レビュー 

パリやロンドンで始まった歌や踊り、寸劇などを入れたバラエティー・ショウのことで、次第に映画・オペラ・バレエなどの要素も取り入れられ、大がかりな音楽と踊り(ときにはスぺクタクルな)の加わったショウの形式のものになりました。

 

わき(脇)

能において主役の「シテ」に対して相手役を演ずる役柄をいいます。

 

わらう

片付けることを表す言葉で、舞台上の人物や道具類などが不必要になったときに退けることをいいます。

 

 

 

 

 

※この舞台用語集を編集するにあたり、舞台監督の仕事 水品春樹氏 (未来社発行)

 舞台監督の仕事舞台づくりの基本 加藤正信氏(レクラム社発行) 

 舞台照明の仕事 牛丸光生氏 (オーム社発行)  

 ポケット版裏方用語辞典(発行 金羊社 星雲社発行)

 を参考に編集させていただきました。感謝いたします。

 

 

 

 

 

 

 

大和市芸術劇場パブリックコメント

 

 

 

 

舞台機構関係

搬入口=W3.2 H2.8以上を必ず確保して下さい。

搬入口は12tが来る事を想定して下さい。車体扉と舞台床面がほぼ同レベルになるよう考慮し搬入、搬出がスムーズ行にえるようにして下さい。

 

プロセニアム=間口15.5m 高さ8m

舞台奥行15.5m

すのこの高さ18m            提案いたします

緞帳の速度 速度調整機能付

絞り緞帳 17

 

上手、下手の空きスペースを大きく取ってください。ここに会館備品と外来チームの道具が納まり、かつ舞台転換が容易出来るよう配慮をお願い致します。

 

音響反射板は 吊り物タイプ式構造ではなく、舞台奥格納自走式か、舞台床面よりの迫上り方式にすべきです。 

(反射板内後ろに吊り物バトン1本設置して下さい。)

メリットは沢山あります。その最たるものが吊り物バトンを沢山増やせます。

 

②大ホールの客席数

800席は少なすぎです。

特に自主事業を行う場合800席ではチケット代金が高くつき市民の鑑賞意欲が沸いてこないことが多々起こると思われます。

最小でも(1200席、間口は15.5m×15.5m高さは8m、すのこまでの高さは18m欲しいです)ハードとソフトの両面が整った素晴しい劇場環境の元で市民が見たいものを少しでも安くし多くの方々に芸術鑑賞をしていただきたく思います。

けして落語を貶すものではありませんが、自主事業で3500円~3800円の落語ばかりやっているわけにはいきません。市民の方々の目は肥えております。

一般市民が気楽にチケットを購入出来る金額は精々4500円が限度ではないでしょうか。

そして、より多くの方に素敵なバレエ公演、素敵なオーケストラ公演、素敵なお芝居公演、素敵音楽公演、等を鑑賞していただきたいと思います。    

 

③ホールの衛生設備に関して

特にトイレは休憩時大変混雑します。

一般的な公演の休憩時間は約15分から20分だと思います。

入場者の男女60%の方はトイレに立つ事を想定すべきだと思います。

特に女性の場合はお化粧直しを致しますので男性より当然所要時間が長くなりますので、トイレ数等のカウントを再度お願いいたします。

多くて困ることはありません。

楽屋周りのトイレもしかりです。

 

④図書館とホールの位置関係

図書館をホールの上段に設けますと大音量の催事物の全ての音量が上部へ上がる事になり図

書館側にいる読書、勉強 等をしている方に支障が出ると思われます。

ベストの位置関係回答はこの場合ありませんが(ホールと図書館を併設)少なくとも図書館を

平場に設けてその距離をとるべきです。

ホールの開演予告ブザー、開演ブザー、公演の進行時音声をホワイエに流せるようして下さい。

ホールと図書館が同じ平場でホワイエと図書館の空間を開放的にする設計の場合はとくに注

意が要ります。

図書館側からの苦情でブザーや音声を流せないホールが、かなりあります。

ビックリしております。

 

⑤舞台大道具設備に関して

所作台(27)は必要ですが、国旗、市旗、松羽目、竹羽目、定式幕,浅黄幕,紅白幕、能舞台等はいりません。

会館のオープン記念式典行事に使用するぐらいです。

飾り付けはいくらでも簡略化できますし。 

宝の持ち腐れになります。置き場にも困ります。

どうしても使用する状況が生じた場合は、記念事業企画立案契約会社に持ち込んでもらって下さい。

会館記念事業は市主催の事業ですが、松羽目、竹羽目、等がどうしても必要とするならば、そのセットのレンタルと、建込み人件費と演者の出演料を含んだ金額をカウントし企画契約会社に支出するのがベターです。

国旗、市旗も現在ある物で充分ですし照明で工夫できます。

アイロンをかければ良いと思います。ただ、寸法は同じにした方が様にはなりますが。

客席花道がある場合は花道の所作台が必要になります。鳥屋囲、花道壁面を隠す鏡板も必要です。

オーケストラひな壇も設計方が想定した図面はいりません。

ホール利用の方と会館技術者が其のつどの打ち合わせで敷き込み図を作成すれば問題は起こりませので。

その分浮いた金額をもっとも使用の激しい、又、痛みも激しい平台、開き足、箱馬の数を沢山みこんで下さい。

 

⑥必要なその他 舞台備品 その1

所作台一式=27 台車付

平台 6×6=30枚 4×6=30枚 3×6=30枚 1×6=16枚 3×3=8枚 変形平台(あぶらげ)4尺物= 4枚 3尺物= 4枚   平台は全て台車付です。 

平台つかみ金具=100

箱足=80個 木台3寸角=40個  高足開き足6×2.8=20  中足開き足6×2.1=30個  

高足開き足尺4×2.8=20  中足開き足4×2.1=30

高足開き足尺3×2.8=20  中足開き足3×2.1=30

蹴込み6×6 の2.8=20枚 6×62.1=20枚 6×61.4=20  6×61.0=20 

蹴込み4×62.8=20  4×62.1=20  4×61.4=20枚 4×61.0=20 枚

蹴込み3×62.8=20枚 3×62.1=20枚 3×61.4=203×61.0 物=20 枚

蹴込み1×61.0=16

蹴込み 0.7×6=60枚 0.7×4=8枚 0.7×3=8

蹴込み  1.0×6=8枚 1.0×4=8枚 0.7×3=8

蹴込み 1.4 ×6=8枚 1.4×4=8枚 1.4×3=8

蹴込み 2.1×4物=8枚 2.1×3=8

蹴込み 変形(あぶらげ)40.7=6枚 30.7物枚=6

蹴込みの色ですが、薄グレーか少し汚したホワイトが一般的です。

 

平台、開き足関係は色々な使用方法がありますのでそのつど担当スタッフと利用者で打ち合わせをして決めていくことでしょう。

 

⑥必要なその他 舞台備品その2

ピアノ(フルコン)2台メーカーと機種はそろえて下さい。

背なし椅子2個 背付椅子4

調整室中央より投影する大型プロジェクター一式  客席より投影するプロジェクター一式 舞台全面スクリーン2BLに取り付け可能。

いまさら映写機は要りません全て使用者に持ち込んでもらうのがベターです。割り切って下さい。

演壇、花台=2個 司会台 指揮台 指揮者譜面台 譜面台120(自立式) クリップ付譜面灯60個 電源コードコンセントボックス8個付で14m=6本 

コントラバス椅子=6個 パイプ椅子=200個 長机28W=1800×D450×H700

(内、膝隠し付8)  

金屏風一双 銀屏風一双 とりのこ屏風一双 地がすり黒1枚物 地がすりグレー1枚物 英国紗幕白1枚物 英国紗幕黒1枚もの 長座布団6尺物=16枚 高座座布団赤=1枚 紺=1枚 上敷き16m=33.6m=10本 1.8m=16

緋もうせん赤6×12=12本 6×24=12本 緋もうせん紺6×12=12本 6×24=12本 

めくり台H=5W=1.51本 大太鼓Φ1.91式 人形立て6尺物=16本 

舞台吊り看板=2(軽い材質) 間口を考慮して W84×H720 吊り込みワイヤー3m=8本ナスカン付細めのワイヤーを使用してください。 

立て看板W90×180 30センチの足付=4

その他かなりの消耗品が必要になります(釘、かなづち、のこぎり、カンナ、定規、滑車,カラビナ、綿ロープ各種、バインド線、木製ボンド等 限りがないくらいです。これらも技術者と相談して決めて下さい。

 

⑦照明機構に関して

調光室 調光操作卓は 客席1F2F上手、下手どちらかに設置して下さい。もう一つが音響調整室の設置場所になります。

センターは大型プロジェクター関係のスペースかクセノンピンスポットの設置位置になる場合がありますので空けておくべきです。

但し、センターピンスポット室が別に確保出来ていれば、特設電源を設置して下さい。

1φ3W/30KVA3φ3W/60KVAカムロック付で設置して下さい。 

 

操作卓 コンソールチャンネル=1024ch

最大制御回路数 1024回路

最大イベント数 100イベント

メモリシーン 1000シーン/1イベント           

プリセットフェーダ 90本×3段               

調光制御信号DMX512/1990

CPUデュアルランニングシステム1

調光制御信号DMX512/1990を客席後方床面に配線して下さい。持込調整卓に対応します

 

センターピンスポット=2KWクセノンピン2本は最小でも必要です。

 

SUS=3列 各3KW 20回路

1BL=200W4(切替8回路付)  2BL(スクリーン付)=200W4(切替8回路付)    

アッパーライト=ホリ幕と同じ長さ=500Wハロゲン球4

ロアーホリゾントライトホリ幕と同じ長さ=500Wハロゲン球4

シーリングライト=1.5KW 24回路

フロントライト=1KW 上下10回路

プロセニアムライト=1KW 8回路

トーメンタルタワーライト=1KW上下4回路   

フットライト=60W 4回路

 

⑧必要なその他 照明備品

フリーのスポット 1KW トツレンズ型=80台 1KW フルネル型=50台 1.5KW FQ型 16台 500W Ti=20台 500Wフルネル型20台  500W FP=12

 

プロファイルスポット(例、SOURCE FOUR)36度と50度が一般的= 40台、  種板は各種類を検討して下さい。 

マシンスポットERQ1.5KW= 8台 

エフエクトマシンVS=8台 エフェクトディスク雨=2枚 雪=2枚 流れ雲=2枚 荒れ雲=2枚 炎=2枚 

波マシン=4台  マルチストロボ=2台 ミラーボール吊り型=2台 置型=2

先球=12インチ=4本 8インチ=4本 6インチ=4本 4インチ=4

ハイスタンド=8本 スタンド=32本 ローベース=36

ハンガー=200個 ロングハンガー=40個 8インチバンドアー=20

落下防止チエーン=1m=60本 1.5m=60

花道が有る場合は花道用ストリップライト=2色用4(花道の長さに合わせる)

アッパーホリゾントライトとロアーホリゾントライトを除くカラーフイルターは、国産カラーフイルターだけでも80色位あります。当然使用する色は限られてきますので舞台を管理運営する技術者に選択をさせて下さい。

⑨舞台に特設電源

3φ4W/60KVA1φ3W/30KVA 3φ3W/200V 40KVAカムロック付で設置して下さい。 

舞台フロアーに100V 60A直回路=上手2個 下手2個設置して下さい。

音響用特設電源も同様ですが別トランスで確保して下さい。

 

音響機器設備及び備品

多目的ホールにおいて必要とされる音響用常設回線の種類と数量を以下に提示いたします。 

公共施設としてのホールで大ホールと呼ばれる施設の客席規模を8001200席と仮定した場合の必要設備を想定しています。 

ホールの形状としてプロセニアムで区切られ舞台と客席が分離された形状の施設を想定しています。 

クラシック専用の音楽ホールや、稼働舞台形式のホールの場合は設備設計が変わるので以下の回線案は適用できなくなります。

また回線の形態としてアナログ・デジタルどちらの場合でも必要回線数はほぼ同じになります。

デジタル回線については後述いたします。

 

大ホール用入力回線

場所・設備

回線数

備考

音響調整室・調整卓

最低入力数24ch

ステレオチャンネル含まず

舞台周辺

袖用回線16ch×2  (下手・上手)

舞台奥用×8

客席内回線×8

袖用コンセントが客席内に渡れるマルチ回線が必要。

 

その他の場所

別施設との渡り回線×2

ロビーホワイエ×4

照明室×2

映写室×8

ピンルーム×2

フロント・シーリング

その他の場所は裏方作業を行う場所になる。

映写室については映写機およびプロジェクター装置が設置された場合による。

大ホール用出力回線

場所・設備

回線数

備考

舞台袖

スピーカー出力×8

常設スピーカーの回線は含まない。

舞台奥

スピーカー出力×4

 

上記の回線数はホールとしての最低回線数としています。

一部の回線数を減じても運用を行うことは可能ですが、対応できない催し物が発生する場合があります。

 

 

次ページに大ホールにおける音響回線の設置分布を明記します。

ホール内回線図(入力用)

 

ホール内回線図(出力用)

 

ホール音響回線図(入力用)解説

 

舞台袖に設置される回線は上手・下手共に16回線ずつ必要になります。

この回線は舞台側ではそれぞれ独立していますが、マルチケーブル用のコネクターを使用して客席内の32回線とそれぞれが接続できる仕様が好ましい。

 

舞台奥用の8回線について、設置場所は舞台の壁面もしくは床面コンセントとして

2回線ずつ4か所に分散して設置してもかまわない。

 

客席内回線として客席前方の左右と客席後方の左右の壁面にそれぞれ2回線ずつ用意されているのが好ましい。

客席内中央の32回線については舞台袖の回線でも触れたとおり、袖の16回線と接続して使用する回線となっている。

 

ホール内の回線は以上ですがホール周辺の部屋への回線が多数必要になります。

照明室回線×2

映写室回線×8

投光室(ピンルーム)回線×2

フロント室×4(上手下手)

シーリング回線×2

ホワイエ回線×2

別施設接続回線×2

親子観賞室回線×4

楽屋回線(楽屋の数分)

上記の表はホール内以外の部屋と音響室を結ぶ回線の例になります。

この回線は運営用スピーカー回線ではなく音響機材を接続するための回線になります。

ホール施設の規模によっては上記表に記載の回線が必要ない場合があります。

 

ホール音響回線図(出力用)解説

 

出力用回線はスピーカーを接続するための回線なので舞台以外では必要がありません。

舞台前方に設置される回線は上手・下手それぞれに4回線ずつあれば問題ありませんが、

上手下手の両方に8回線ずつ並列接続で設置されると利便性が上がります。

 

舞台奥の回線も同様で4回線が上手下手で並列接続によって設置されるのが最適です。

舞台奥の回線についてはフロアコンセントとして舞台床面に設置されても構いません。

 

出力用の回線はスピーカーのコネクターとなるので施設に設備されたスピーカーに合わせたコネクターの設置が必要です。

現在はノイトリック社製のスピーカーコネクターの採用が多い状況となっています。

 

 

デジタル回線について

昨今の音響用機器は急速にデジタル化への移行が行われています。

現状として新規に導入される音響機材はほとんどがデジタル機器になっており、コスト的にも従来のアナログ機器に比べて安価な場合があります。

音響調整卓やアンプ等にデジタルに対応した製品が入る場合、音響用の回線もデジタル化された物が入る場合があります。

 

アナログ回線を敷設する場合、音響室と舞台周辺の音響回線を結ぶために回線数に応じた電線を敷設する必要があります。実際には8本もしくは16本が束になったマルチケーブルと呼ばれる電線を使用します。

 

対してデジタル回線の場合は音響室と舞台周辺の回線間はのデジタルケーブル1本の敷設で済みます。しかし舞台側にデジタルに対応した変換機等の機材が必要になります。

また、舞台⇔音響室以外の回線についてはアナログ仕様の物が必要であり、故障の場合に備えた保険として舞台と音響室の間に少数でもアナログ回線を敷設しておくのが得策と考えます。

 

デジタル回線のメリットは音質の劣化や不要ノイズの混入が抑えられることです。

しかしシステム全体の管理がアナログに比べて複雑になるため、音響専門の係員が必要となります。

 

現在のホール運営の現状としては、アナログとデジタルが混在した環境で使用者が使いやすい環境を構築するのが最適と考えます。

 

 

再生録音機器

 

カセットデッキ・・・必要数×2 物品例・TASCAM 202mk

          カセットデッキの需要は細々とながら続いており現在でも利用

          者が多数存在する。

MDデッキ・・・・・必要数×2 物品例・TASCAM MD-02B

          利用者数は減ってきているが一般利用において今後10年程は

          録音メディアの中心的な機材である可能性が高い。

CDプレーヤー・・・必要数×2 物品例・TASCAM MD-CD1BMKIII

                    使用頻度がかなり高い周辺機器。上記した機材はCD単体の

          機材ではなくMDデッキとの混在機である。

デジタル録音機器・・必要数×2 物品例・TASCAM SS-CDR200

          デジタル素材に対応した録音機材。

          SDカードのような記録メディアやCDに録音ができる機材

制御装置

 

音響調整卓(ステージ用)・・必要数×1・物品例・

             ALLEN&HEATH ( アレンアンドヒース ) / WZ3 14:4:2

          舞台袖等で音量調整やミキシングを行う場合に必要な機材。

          価格帯として15万円~40万円台の機材が性能として耐えうる

カフボックス・・・ 必要数×4 物品例・TOMOCA TCC-100ST

          マイクロフォンや再生機器の個別音量調整機として使用する。

モニタースピーカー

 

可搬型スピーカー・・ 必要数×6・物品例 エレクトロボイス製 ZX3-60

           舞台上で演奏者等に向けて使用するスピーカー。1000人規模

           のホールでは6台ほど必要

投影装置

 

液晶プロジェクター・ 必要数2・物品例(未定)

           プロジェクターにおいては使用状況別に2台ほど用意が必要。

           1台は可動可能な機材で客席内や舞台上に設置して使用する。

           投影距離は約10メートル。

           もう1台は映写室に常設固定して使用する大出力の機材が

           あると便利。その場合30メートルから50メートルの投影距離

           に耐えうる機材が必要となる。

 

 

 

         

 

        パブリックコメント編集にあたり音響設備及び備品関係は音響デザイナー

    手塚雄治氏にご協力をいただき編集をさせていただきました。

    感謝いたします。

 

 



 
 


 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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